itt TOKYO2024
itt TOKYO2024

忖度で現場が疲弊する? 夜行列車に揺られて考えるサスティナブルな観光まちづくり-インプリージョン オダギリサトシ氏寄稿

  • 2021年9月28日

忖度で観光の現場が疲弊する?

先ほど書いたWEST EXPRESS 銀河は
JR西日本の中期経営計画 2022の一環で走っているらしく
「地域との対話と連携を通じ、観光を中心として西日本各エリアの活性化に貢献する」
というコンセプトだそうです。
すごく大切なことだなぁと思います。

今からする話は
JR西日本さんや銀河をdisる話ではありません。
様々なステージでの忖度により現場が疲弊している話です。

WEST EXPRESS 銀河には鉄道単体では乗車できませんでした。
ご当地らしい夜食や朝食、現地でのガイドツアー、現地でのウエルカムイベント
などがセットになって旅行商品として販売されています。

このことは
「地域との対話と連携を通じ、観光を中心として西日本各エリアの活性化に貢献する」
ために大切だと思います。

ところがその一方で
「気軽に鉄道の旅を楽しめる列車」というコンセプトもあって
価格設定がとても安く抑えられています。
おかげで私でも気軽に乗れましたので大切なことです。

この2つのコンセプトを掛け算したからか?
忖度や、ボタンの掛け違いで現場が疲弊してるなぁ
と思うシーンがあったのです。

銀河の定員は夜行運行で85名ですが
募集はワンバス程度
私が乗車した日は24名でした。

この24名のために(最大50名)のために
夜食のラーメン屋さんは営業時間終了後も
定価700円(旅行会社手数料別途)のラーメンを作って待っています。

この24名のために(最大50名)のために
朝食の食堂は営業時間のだいぶ前に
1000円に満たない(旅行会社手数料別途)朝食を作って待っています。

各停車駅の観光協会職員のお出迎えやお見送り、ガイドツアーはボランティアです。

飲食店の店員さんやボランティアの方の表情や
世間話的にいろいろとお聞きしたりする限り
残念ながら疲弊しているように見えました。

もちろん、最終的には納得して受けられたと思いますが
強い要請があったとも聞きました。

JR西日本さん(含む日本旅行さん)→和歌山県→各市町村→各観光協会→各施設
という依頼の流れの中で
在来線を今以上減便されたらあかん・・・とか
特急の停車をやめられたらあかん・・・とか
駅が無人化している現状での忖度があって、強い要請につながったのかなぁ
想像やけど。

想像が正しいかはわかりませんが
疲弊しているサービスや接客では地域のファンはできませんので
そこは関わっている各社すべてにメリットがあるよう
地域側もちゃんと考えていかなあかんなぁと思った経験でした。

そこがちゃんとできてこそ
「旅行者」「事業者」「地域」3方よしのサスティナブルな観光まちづくりです。

質問コーナーの回答ありがとうございます!

先月に引き続き質問コーナーです
先週も数名の方が質問に答えてくださりありがとうございました。

回答に関して、私もコメントするようにしますので
皆さんと交流できれば幸いです。

ということで今月も質問コーナーです。

今月のコラム2ページに
引きこもらずに外出を楽しめることを書きました

これは8月末から9月に私がやってきた事です。

他にも
無理やり理由を作って
奈良県、滋賀県、岡山県、兵庫県にも行っています。

きっと皆さんも
自粛しながらも外出をされたんじゃないでしょうか?

そこで質問です。
自粛モードの世の中で、様々な制限がありますが

◎私はこんな風に外出理由を作ってるよ~ とか
◎私は〇〇を◇◇使いして安全に外出してるよ~ とか
◎〇〇遊びなら蜜にもならないし楽しいよ~ とか

皆さんならではの
コロナ中でも安全かつ周りにも配慮した外出の楽しみ方をお聞かせください。

それが
ニューノーマルな旅行や観光のアイデアになるかもしれませんので

今のうちからコメントでトビィを貯めておけば
抽選のころにはポイントたっぷりでエントリーし放題ですよ。

<過去記事はこちら>
第8回 お手軽? 不安? シェアリングサービス強化月間
第7回 ワクチン接種と交流再開、「合理的」には進まなくても
第6回 マーケィング調査で見えるものと見えないもの
第5回 GWで考えた、観光地にもブランディングが必要な理由と観光産業が生き延びる術
第4回 お金を使わない観光客はダメ?サスティナブルな地域観光を実現するために
第3回 観光まちづくりの人材確保、モチベーションを上げる妙案
第2回 それでもワーケーション、やりますか?
第1回 コロナとこれからの地域観光経営を考える

オダギリ サトシ
株式会社インプリージョン代表取締役。旅行会社向けに大阪の着地型旅行商品をODM開発する他、全国各地の自治体の観光集客アドバイザーや委員を務める。大阪商工会議所ツーリズム振興委員、「世界に誇る観光地を形成するためのDMO体制整備事業」の専門人材、観光庁「広域周遊観光促進専門家」。