アクセスランキング、1位はJTBとエクスペディア提携、2位はKNT

[総評] 今週の1位は、ジェイティービー(JTB)とエクスペディアが業務提携したニュースでした。正確にはエクスペディアとエアアジア(AK)の合弁会社であるエアアジア・エクスペディア(AAE)との提携ですが、いずれにしても世界最大のオンライン旅行会社であるエクスペディアと、日本最大の旅行会社であるJTBの提携ですから、注目を集めて当然でしょう。

 提携内容の詳細は記事をご覧いただくとして、簡単にいえば両社のホテル在庫を相互提供するもので、JTBはAAEの約15万軒の海外ホテルを販売可能になり、その代わりAAEはJTBが仕入れる日本の旅館など約7000軒を販売します。サービスの開始はJTBによる海外ホテルの取り扱いが今年秋ごろ、AAE側は夏ごろの予定です。

 JTBが現在FIT用に仕入れている海外ホテルは約1000軒のみで、GDS経由を含めても約3万1000軒の取り扱いということです。AAEの約15万軒と重複するホテルもあるはずですが、仮にすべて重複しても5倍近い規模となります。

 JTB代表取締役社長の田川博己氏も会見で話されていましたが、オンライン流通の世界では楽天トラベルやじゃらんnetなどにJTBが「後塵を拝していると見られている」ところがあります。ただ、これは根拠のない個人的な印象ですが、海外ホテルの単品販売は国内の宿泊施設に比べてどこかが飛び抜けているわけではないように思います。

 例えばじゃらんnetは昨年5月に海外旅行分野でJTBと提携したところですし、これも会見で田川氏が発言されたように、買収などを含めた合従連衡が今後も進んでいくような予感がします。

 合従連衡といえば、2位に中期経営計画の記事が入ったKNT-CTホールディングスもその一つです。2015年までの計画ですので、いきなり目に見えて大きな変化が起きるものではなさそうですが、近畿日本ツーリスト(KNT)とクラブツーリズムの2012年の旅行取扱額を単純に合計しただけで業界2位の水準となりますから、今後も大いに注目を集めていくでしょう。

 今週はこのほか、外国船籍としては過去最大となる日本発着クルーズを計画中のプリンセス・クルーズについての記事が9位に入っています。クルーズ関連の記事がランキングに入ることは稀ですが、2014年の集客目標が10万人ということを考えれば、アクセスの高さも不思議ではありません。

 10万人といえば、ある程度のデスティネーションと同じ規模で、プリンセス・クルーズ以外の各社も日本市場強化の方針を打ち出す中で、とうとう「クルーズ元年」が訪れるのではないかと期待できます。ただ、プリンセス・クルーズの関係者は、日本市場では「旅行会社、特に最前線の(カウンターにいる)スタッフがクルーズを知らない」ことが課題であると話されています。

 船会社側の施策によって市場が拡大した後にクルーズの勉強をするのでは、消費者の方が詳しいという従来からの問題の根が一段と深くなるばかりです。トラベルビジョンとしてもクルーズ販売についての情報発信を強化したいと考えていますし、皆様も是非ともトレンドを先取りして収益の拡大につなげていただきたいと願っています。(松本)


▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2013年2月第4週:2月17日0時~2月22日18時)
第1位
JTBとエクスペディアが業務提携、海外ホテル販売2倍めざす(13/02/21)

第2位
KNT-CT、中期計画を策定、シナジー最大化へ-グローバル強化も(13/02/17)
KNT-CT、12年は増収増益、営業利益が2倍超に(13/02/17)

第3位
ドイツも羽田昼間便可能に、6ヶ国目-成田など自由化も合意(13/02/18)

第4位
ジェットスター、金曜限定セール実施、国内線片道990円に(13/02/19)

第5位
全日空、14年度入社の新卒採用は総合職40名、客室乗務員450名(13/02/17)

第6位
観光立国10年の課題-産業全体の問題点と課題を議論(13/02/19)

第7位
円安の影響「一定程度」、LCCに期待も-13年海外旅行(13/02/18)

第8位
エジプト航空、成田/カイロ線減便、週2便に(13/02/20)

第9位
プリンセス・クルーズ、市場の拡大はかり旅行会社との協力強化(13/02/21)

第10位
エアアジアX、新サービス「クワイエットゾーン」開始(13/02/20)