年末年始のPKG予約は92%から103%、JTB・近ツー・日旅・ジャルパック

  • 2005年11月17日
 ジェイティービー、近畿日本ツーリスト、日本旅行、ジャルパック4社の年末年始の旅行商品の予約動向をまとめた。まだ、キャンセル料が発生しない時期であることから、今後の予約状況に動きがあると想定されるが、各社とも強みを生かした取り込みをすすめている(数値は全て対前年同期比)。

4社のパッケージツアー予約状況(16日、トラベルビジョン調べ)
http://www.travelvision.jp/html/pdf/4agent_booking.pdf

----------------------------------------------------------------------

 各社の予約状況で注目されるのは、レジャー需要の回復が勢い良く進まない中国。全社が前年を下回るものの、近ツー、ジャルパックと90%台後半となっており、停滞する需要の中で健闘している。ジャルパックではこの状況について、価格訴求型のアヴァが他社と比べ価格を抑えていることから集客につながっていると見ている。
 ただし、両社とも回復への見方は慎重。年末年始について良いものの、その前後の10月から12月、あるいは1月から3月の予約状況は弱い。近ツーは本格的な回復は春ごろ、ジャルパックでは正月を除く1月から3月の予約は90%であることから、さらに慎重な見方で、春先ごろを示唆している。
 また、年末年始の人気方面のハワイ、グアムは訪問者数も多くなる。これについて、ハワイは近ツー東京発だけが前年増となっているが、ホテルの客室供給量が頭打ちである状況、日本航空(JL)による減便などの影響から前年を下回る水準。ただし、JTBでは「キャンセル待ちが相当ある」として、出発日が集中している状況を説明する。サイパンも減便の影響があり、予約状況は伸び悩む中で、JTBは強さを見せている。


 ジェイティービーの年末年始期間(12月23日〜1月3日:11月4日現在)のルック全国発は102%だ。方面別では台湾140%、韓国109%、2ヶ国を除くアジアは119%でアジア全体が113%となっているほか、グアム・サイパンが118%、北米114%、ヨーロッパが105%と順調。オセアニアは92%と低調で、ハワイが88%、中国は62%だ。
 近畿日本ツーリストの年末年始(12月23日〜1月5日:11月14日現在)東京発ホリデイの方面別予約状況は対前年同となっている。台湾138%、オセアニア114%、ヨーロッパ110%、ハワイ103%と前年同期比で上回る数値となり出足は好調。また、アメリカ97%、中国93%、アジア89%、ミクロネシア85%とこの方面は今後の伸びに期待がかかるところ。ハワイは人数に比較して販売高が上回り、高額商品の売れ行きが堅調という。
 日本旅行のマッハ・ホリデイの年末年始(12月23日〜1月4日:11月12日現在)予約状況は、全体で103%であった。方面別ではトルコが150%と好調な集客が起因し、ヨーロッパが110%、オーストラリアが129%と好調であるほか、アジアが109%、北米が105%となっている。グアムは92%、サイパンは88%、ハワイ79%、中国68%とやや低調。
 ジャルパックのアイル・アヴァの年末年始(12月23日〜1月4日:11月10日現在)予約状況は全体が92%と若干弱含み。ヨーロッパは119%、アメリカが105%と良いが、中国98%、アジア96%、ハワイ94%、オーストラリア・オセアニア94%となっている。ハワイは減便の影響で減少となっているものの、これを考慮するとまずまずの状況。また、福岡/ハワイ間のチャーター便についてはこの数値に算入されていない。

 なお、エイチ・アイ・エスによると、現在の動向として、グアム・サイパンが好調、インドネシアは回復の帰途にあり、ハワイについても前年並みという。アジアは好調だが、鳥インフルエンザの動向を懸念する向きもあると指摘。ツアーと航空券の販売では、ツアーの方が安心面から売れ行きが良いという。