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【スイス現地レポート】クリスマスシーズン真っ盛り!ゴールデンパス・エクスプレスが運行開始、プレステージ・クラスも登場

  • 2022年12月15日

 スイスでは今年4月にコロナの規制が完全に撤廃されて以降、人々の生活は通常に戻り、コロナも今ではすっかり過去の話になりました。また冬にかけて、マスク着用義務やその他の規制が復活するのかと思っていましたが、その話さえ出ないまま今に至っています。今年の夏には、北米やアラブ諸国を中心に多くの旅行客がスイスを訪れ、コロナ前のレベルとまではいかないものの、観光客もたくさん目にするようになってきました。

 現在はスイスでは美しいクリスマスシーズンを迎え、各地でクリスマスマーケットが開催されています。コロナ初年度はマーケットの開催は取りやめ、昨年は規制の中どうにか開催という流れの中で、今年は数年ぶりにコロナ前同様の形態での開催となり、例年以上に賑わいを見せています。

 そして、12月11日よりモントルーとインターラーケン・オスト間を直通で結ぶ待望の列車「ゴールデンパス・エクスプレス」が運行を開始しました。合わせて、この路線初となる1等車よりも格上の「プレステージ・クラス」も登場しています。先日早速乗車してきましたので、まずこちらの話題からお伝えします。(文・写真 スイス・チューリヒ在住 高橋絵美)

※2022年12月10日の情報を基に執筆しています。
※これまでのスイス現地レポートはこちら >>> 第5回第4回第3回第2回第1回

チューリヒのクリスマスマーケット、毎日大勢の人で賑わっています

ゴールデンパス・エクスプレスが運行開始
インターラーケン/モントルー間を乗り換えなしで移動可能に

 12月11日より、インターラーケンとモントルー間の絶景鉄道ルートを乗り換えなしで結ぶゴールデンパス・エクスプレスが運行を開始しました。アルプスの山々、湖、そして世界遺産であるワイン畑など風光明媚な景色が続く同鉄道ルートは、途中で線路幅が変わることから、通常はツヴァイジンメンで電車を乗り換える必要があります。しかし、この度、運行会社のひとつであるMOB(モントルー・オーベルラン・ベルノワ鉄道)が、走行中に線路の幅に合わせて車輪幅を調整する技術の開発に成功し、乗客は乗り換えなしで同ルートに乗車することが可能になりました。その新技術を搭載した車両はゴールデンパス・エクスプレスという名の新車両で運行を開始しています。

ゴールデンパス・エクスプレスも紺色を基調とした車体カラー

モントルーを発車してすぐ、雄大なレマン湖の景色が望めます。奥はプレステージクラス

 ゴールデンパス・エクスプレスは、1等、2等、そして1等より格上のプレステージ・クラスの3クラス構成。全てのクラスにおいて新車両を導入し、木のぬくもりを生かしたモダンなデザインに、パノラマの景色を楽しめる大きな窓ガラスが特徴的です。乗り換えが必要ないことから、絶景を楽しみながら車中でゆっくり食事を楽しむことも可能に。車内では、各地域の食材を活かしたメニューやワインを楽しむことができ、スイスの山から湧き出る水で育てられたチョウザメのキャビアを食すなどユニークなメニューも提供しています(キャビアの提供は1等とプレステージ・クラスのみ)。食事類は基本事前予約が必要ですが、スナックや飲み物は車内でいつでも購入ができます。

(左)路線沿いの地域名産の干し肉やサラミなどの盛り合わせ(右)スイス産キャビアを食せる貴重な機会

 プレステージ・クラスは列車の前後に9席ずつ配置され、全18席。高級感ある革張りシートで、リクライニングはもちろんのこと、フットレストに座席ヒーターなども完備。座席自体も他のクラスより40センチ高く設置されていることから、足元から窓が広がり、景色をよりダイナミックに眺めることができます。更に、180度回転するので、グループでの食事の際は向き合わせに、景色をじっくり楽しみたいときは進行方向に向かって席の方向を変更するなど、シーンや好みに合わせてアレンジできるのも嬉しいポイントです。

プレステージクラスは、2席–1席の配置。広々として高級感漂う空間

2等車もパノラマ仕様。2席–2席の配置

全クラス共通して荷物置き場が充実

 現在ゴールデンパス・エクスプレスは、インターラーケン・オスト駅発、モントルー発が1日1本ずつ運行しており、来年の6月11日からはそれぞれ1日4本ずつの運行になります。乗車時間は3時間15分。名峰が連なるユングフラウ地方と世界遺産に登録されたラヴォー地区のワイン畑といったスイスの主要観光地をより快適に、そして効率的に巡ることができるでしょう。

ツヴァイジンメン付近通過中、雪化粧した山々の眺め

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