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豊かな食文化やおもてなしの伝統文化、観光でも選ばれる新潟にー中原八一新潟市長

  • 2022年2月18日

未来に向けてまちづくりの大きな転換期
団体・修学旅行も積極的に誘致

-コロナ収束を見据えた観光客誘致の施策を教えてください。

中原 新潟市は2020年7月に、新潟コンベンション協会、旅行業や宿泊業の業界団体と共同で「新潟市新しい観光スタイル推進協議会」を立ち上げました。民間が持つ情報を活用して、観光マインドを向上させて、誘客を推進していくために、業界が一丸となって取り組んでいるところです。具体的には、一般の団体旅行と修学旅行の誘致のために旅行事業用補助金を整備しました。

 これを活用して、一般団体旅行では2020年度に約4,200人、2021年度1月12日現在で約3,200人が新潟市を訪れています。

 修学旅行については、コロナ前は積極的な誘致には取り組んでいませんでしたが、コロナ禍でも修学旅行用支援メニューを策定し、誘客を本格化させました。その結果、関西や関東から行き先を変更して、新潟市に振り替える動きがあり、2020年度で約6,300人、2021年度は1月12日時点で約3,000人が本市を訪れました。

-新潟市の中長期的にどのようなまちづくりを目指していくお考えでしょうか。

中原 昨年2月に「選ばれる都市新潟市」というビジョンを公表しました。新潟市の明るい未来を切り拓き、今後ウィズコロナ・ポストコロナ時代でのまちづくりの方向性を示したものです。コロナをきっかけにデジタルの活用が進み、人々の意識や価値観が変化しています。これまでとは違った働き方や生活スタイルが定着し、地方での暮らしの関心も高まっています。この社会変化を捉えて、新潟市を「暮らしやすいまち」「訪れたいまち」「ビジネスを展開するまち」として、魅力を積極的にアピールしていきたいと考えています。

 新潟駅では60年ぶりにリニューアル工事が進められおり、鉄道の高架化事業も進んでいます。新潟市は、まちづくりの大きな転換期にあります。このタイミングで、市中心の新潟駅から万代、古町の繁華街をつなぎ、人、モノ、情報が集まるプラットフォームとして整備しながら、活力のある元気な新潟市を作っていきたいと考えています。

 このエリアは全長が2kmになることから、市民の関心を高めるために「にいがた2km(ニキロ)」という愛称をつけました。古くからの歴史や文化を大事にしながら、新しい魅力を付け加えることで、新潟市の都市の価値も高めていきたいと考えています。かつて、市内の郊外から米などの物資を新潟の港に集め、そこから北前船で全国にモノを運ぶことで新潟は栄えました。そういった関係性を現代にも当てはめて、「にいがた2km」と周辺部とを結ぶことで、市全域を活性化していこうと考えています。

-読者である観光産業の方々へメッセージをお願いいたします。

中原 今はオミクロン株が急激な拡大を続け、全国各地の幅広い事業者の方々に大きな影響を与えています。大変苦しい時です。しかし、コロナ禍はいつか必ず終わります。そして、明るい兆しが見え始めます。必ずそういう時が来ます。新潟市も全国各地の観光業の取り組みや知恵をお借りしたいと考えています。共に元気に立ち上がって、明るい未来を切り拓くために力を合わせて頑張っていきましょう。

-ありがとうございました。