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意欲の高い外国人人材の受け入れを支援、観光需要のV字回復に備える―人材派遣のアステージ代表 酒井尚志氏

  • 2021年4月15日

日本語学校とインターンシップにも注力
宿泊業での外国人特定技能の広がりに期待

-インターンシップはどのように募集されているのでしょうか。

酒井 現在、ジョグジャカルタをはじめインドネシア全体で5つの観光系の大学と提携しており、その中からインターンシップを募集しています。応募者は日本語学校で日本語教育を受け、そこの試験に合格した人が半年あるいは1年後に日本に行く権利を得られます。

 受け入れ側の宿泊施設も増えており、毎年受け入れていただいているホテルについては、次のインターンシップの時期が決まっており、それに合わせて受け入れの準備をしています。

 コロナ前で年間120人ほどを受け入れていますが、現地の大学組合の会長からは、もっと多くの大学を紹介することができるというお話をいただいています。また、観光が基幹産業となっているカンボジアやネパールからもインターシップ受け入れの相談を受けています。しかし、インターンシップを増やすには、日本での受け入れ先をもっと開拓していく必要があります。

-インターンシップ参加者は、現場でどのような業務についているのでしょうか。

酒井 来日前に日本語のサービス会話の勉強をしてもらいますが、やはり言葉の壁があるので、最初の2ヶ月くらいは、レストランの洗い場や清掃作業など簡単な業務になります。慣れてくると、レストランのホール、お客様のお出迎え、荷物運びなどの接客につきます。

 インターンシップは、あくまでも大学の授業の一環ですので、単純労働だけをするのは制度的にも認められていないため、日本のサービスを学ぶ社会経験の機会を設けています。

-インターンシップ参加者の強みと課題は何でしょうか。

酒井 受け入れ先にいつも申し上げているのは、彼らはちょっとしたアルバイト感覚ではなく、大学の単位を取得するために来ているので、熱心さが違うということです。また、彼らは日本のホスピタリティに非常に関心が高く、それを学んで、将来ホテルなど観光産業で働くというしっかりとした目標を持っています。

 受け入れ側の評価も高まっており、継続的に受け入れていただいているホテルも多くあります。

 課題としては、明らかに言葉の壁があります。会話レベルの問題から、受け入れ側の従業員の方々との間でボタンの掛け違いのような誤解が生まれることがあります。インターンシップを始めた頃にそういう相談を多く受けました。そこで最初の1ヶ月ほどアステージの社員を通訳として同行させるようにしたところ、最近ではそうした心配もかなり少なくなってきました。

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