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【クレジットカード不正利用を知る】3-Dセキュアだけでは防げない! 不正検知システムの役割-Akuru代表近藤修氏、取締役栗田和明氏

-不正検知システムの導入は費用面でのハードルが高いという会社もあると思いますが、代わって取るべき対策があればお聞かせください

栗田 旅行商材は物販と比べて単価が高く、1件不正が発生した際の被害額が非常に大きいという特徴があります。当社の仕組みは中小規模の企業でも導入しやすい価格体系のため、ハードルは高くないと考えていただける会社もあるのではないかと思いますが、電話やファックスなどシステムを介さない場合の対策としては、どのような商材が狙われるのかといった情報をキャッチし、リスクを認知していくことが必要になるのではないでしょうか。私たちも啓蒙活動を行っていく必要があると感じています。

-「ASUKA」が旅行業界に支持されている理由はどのようにお考えでしょうか

栗田 業界に特化して提供しているサービスですので、ニーズをすべて満たしていることにあると思います。実際に不正を減らしてきた実績に加え、先程も出た価格面では、日本の被害金額の実体に合ったソリューションを提供しているため、費用対効果が高いと感じていただけています。また、システムとの連携が容易で初期費用や時間の短縮ができるという点でも導入のハードルが低く、導入後のサポートにも評価をいただいています。

近藤 旅行商材は購入と同時に決済するケースが多いと思います。一般的な不正検知システムでは、オーソリゼーションまで行い、その結果で判断するという場合がほとんどですが、旅行業界ではそれでは遅いという声があり、当社のシステムではオーソリゼーションの前にリアルタイムで計算をして、怪しいユーザーには認証ツールをかませて牽制します。旅行商材やデジタルコンテンツとの相性が良く、その点も選んでいただくポイントになっています。

-コロナによって不正利用のトレンドに変化はあるでしょうか

近藤 狙われるのはニーズのある商材です。現在は巣ごもり消費の増加で、料理家電が狙われる傾向があります。旅行商材での被害はコロナの影響で一時的に収まっていますが、人の移動が再開されれば必ずまた狙われることは間違いありません。今こそ危機意識を持ち、対策を考える必要があると思います。

栗田 経済的に困窮した国から他国へのサイバーアタックも注目されています。クレジットマスターへのアタックも顕著に増えており、カード情報が漏洩し、世界的に不正をしやすい状況が生まれてしまっていると考えられます。

-トラベルビジョンの読者に向けてメッセージや提案などがありましたらお願いいたします

近藤 今年は3-Dセキュア2.0などの新しい本人認証技術が普及し始めると思いますが、加盟店に話を聞くと、期待値が非常に高いと感じています。認証のための取得項目も増えていますし、本人確認の煩雑さによる販売機会損失を減らすという観点でも改善はされていますが、それで不正利用者がいなくなるわけではありません。導入後も不正を防ぐための対策を取る必要があるという認識を持っていていただきたいと思います。

-ありがとうございました