OTAセミナー開催、客室の仕入れ・販売の課題を議論

料金設定や仕入れの平等性が重要
キャンセル料収受の工夫も

在庫の共通化で平等な競争環境を

オークラニッコーホテルの長谷部氏  「客室在庫と流通」では、長谷部氏が旅行会社などに対し、客室の在庫を平等に提供する必要性を指摘。全社共通の在庫とし、客室の管理をシステムで一元化すると、在庫が少なくなった際に価格を上げることで総売上高を増やすことができることをメリットとして強調した。

一方、旅行会社にあらかじめ一定数の客室を預けて販売してもらうアロットメント(ブロック)については「(残室数に応じて)価格が変更できないため、旅行会社に客室の買取保証を求めている」と説明。「アロットメントよりも、各社に対して平等に共通の在庫を提供することで、皆がWin‐Winの関係になれば」と考えを語った。

i.JTBの山口氏  山口氏は、JTBグループではJTB国内旅行企画で仕入れや商品造成を統括しており、アロットメント契約で預かっている客室もあることを説明。こうした客室については東京や大阪など需要が集中している地域ではほぼ完売しているが「旅館のオフ期や平日など、もっと売って欲しいという要望はいただいている」ことから、訪日外国人向けの旅行サイト「JAPANiCAN」も積極的に活用し、販売機会の増加に努めていると語った。

 山本氏は「他社には空室があるが我々には無いということがあれば、お客様に適した宿泊施設をすすめることができないし、宿泊施設側にとっても機会の損失になる」と語り、在庫の平等な提供を要望した。このほか、国内の公共交通機関を活用した地方への誘客についても言及し、目的地の最寄り駅の路線沿いの宿泊施設をわかりやすく案内して、顧客を郊外の安価な宿泊施設に誘導することにも注力する考えを示した。