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羽田米国線、DLシアトル維持へ、デイリー不可ならAAに

  • 2015年3月30日

DLのB767型機 米国運輸省(DOT)は3月27日、デルタ航空(DL)が所有する羽田の発着枠2路線分のうち再配分の是非を検討していた1路線分についてDLのシアトル線を継続する仮決定を発表した。

 DLは、現在羽田からロサンゼルスとシアトルに運航しているが、シアトル線は冬ダイヤでほぼ運休。これに対して、アメリカン航空(AA)とハワイアン航空(HA)が同路線の発着枠を没収し再配分するようDOTに要請した。

 その後、DOTは再配分の是非を検討するため同枠の利用を希望する航空会社から運航計画を募集し、AAがロサンゼルス線、HAがコナ線を申請。DLは自社便の公益性の高さを訴えていた。

 今回、DOTは暫定的にDLのシアトル線を継続すること決定。AAが申請した羽田/ロサンゼルス線に対しては、すでにDLと全日空(NH)が運航していることから、再配分をおこなうよりも、唯一の太平洋岸北西部への路線であり、羽田/シアトル間の直行便としても唯一であるDL便を維持する方が、米国の公益につながると判断。

 また、HAの羽田/コナ線についても、DOTの最大の目的である「米国の公益の最大化」や羽田への路線の地理的な多様化のためには、すでに3社が運航している羽田/ハワイ間に再配分するより、シアトル線を維持する方が良いとした。

 加えて、DLは3月29日から通年でデイリー運航することや、ハブであるシアトルの空港機能強化に向けた方針を発表しており、DOTではこれらの点により羽田/シアトル線は成功すると評価した。

 一方、DLが過去、計画通りに路線を維持してこなかったことに対するAAやHAの批判に対しては、通年でのデイリー運航をシアトル線継続の条件に設定。DOTの承認を得ずに1週間あたり2日運休した場合は、羽田/シアトル線の発着枠は即無効とする。さらにDOTは、四半期ごとに羽田/シアトル線についてのレポート提出も要求。レポートには欠航した便数やその原因なども盛り込むよう求める。

 さらに、DLの枠が失効した場合に備えて、暫定的にAAの羽田/ロサンゼルス線を「バックアップキャリア」として選定。DLが通年でのデイリー運航を実現しなかった場合はAAに枠を配分する。バックアップキャリアとしての権利は2年間で、2年以内に利用されなければ無効にする。

 なお、DLは仮决定を受け、「米国運輸省がシアトル/羽田路線の運航継続を認める決定を下したことに対して、感謝します。デルタ航空は、シアトル/羽田間のノンストップ便を3月29日から通年運航します。デルタ航空では、シアトル/タコマ国際空港を国際線のゲートウェイとして成長させるべく、今後も拡張を続けていきます」とコメントを発表している。