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JATA菊間会長、14年は飛躍へ、土台できた-燃油など取組継続も

  • 2014年1月8日

 日本旅行業協会(JATA)会長の菊間潤吾氏は1月8日、年初の記者会見に臨み、2013年は「将来の飛躍に向けた基盤整備の年」であったとし、2014年はこの成果を活用して成長をめざす1年にしたい考えを示した。

 2013年の振り返りとして菊間氏は、海外旅行は中国や韓国への需要が減少した一方で中長距離のデスティネーションが好調に推移し、訪日旅行関連でもオリンピックとパラリンピックの開催決定、富士山と和食の世界遺産登録、訪日外客数1000万人の達成など「明るい光が差し込んだ」と言及。

 こうした中でJATAでは、「旅フェア日本」と「JATA旅博」の統合による「ツーリズムEXPOジャパン(T-EXPO)」の立ち上げ、訪日ツアーオペレーターの質を確保する「ツアーオペレーター品質認証制度(TOUR QUALITY JAPAN)」の開始などを実現したほか、チャーター規制も緩和。さらに、年末には観光庁への要望が奏功し、燃油サーチャージの課題を航空局などと実務レベルで協議する場の設置も決まった。

 2014年は、こうした変化を土台として「飛躍」につなげる方針。T-EXPOでは、日本全体で観光への熱が高まっていることから、他産業も巻きこんで一つにまとめる「象徴的」なイベントとする。

 また、TOUR QUALITY JAPANも現在33社が認証を受けているが早期に100社への増加をめざし、海外での認知向上なども進める。訪日旅行については、2000万人に向けて「いよいよ旅行会社の出番」であるとの考えで、環境整備に加えセミナーなども開催して会員会社の取り組みを促進していく。

 燃油サーチャージについては、「一貫して航空運賃への一本化を求めてきた」ところで、今回初めて協議の機会が設けられることは「一歩も二歩も前進」との認識。制度的な課題では、海外の取引先からも改善が望まれている旅行業法や約款の改正、休暇制度の見直しに関する活動も継続する。

 このほか、2014年の活動方針として、海外旅行自由化50周年に焦点を当てた需要喚起をおこなうほか、引き続きアウト/インともに重要市場である中国と韓国について再成長をめざして取り組む。韓国については2月上旬に菊間氏を団長とするミッションの派遣が決まっており、中国も同様の活動を計画している。中長距離デスティネーションの好調さに中国と韓国の回復を合わせ、2014年は通年で1850万人の出国者数をめざす。

 さらに、国内旅行でも、宿泊増をねらった従来の「もう一泊、もう一度」キャンペーンを終え、4月から若者をターゲットに「日本を遊びつくせ」と題したキャンペーンを展開する。旅行を「遊び」と定義することで敷居を低くするねらいで、須藤元気さんらのパフォーマンス集団「ワールド・オーダー」を起用して日本各地の魅力をアピールしていく。