ベトナム航空、増便でベトナム中部をアピール−周遊型旅行も提案

  • 2010年4月9日
 ベトナム航空(VN)と日本旅行業協会(JATA)VWC2000万人推進室、インドシナ観光促進協議会(ITPF)は先ごろベトナム観光セミナーを共催した。このなかで、VN日本地区総支配人のグエン・クオック・トアン氏は「今年に入ってベトナム市場は好転の兆しがある」と挨拶。また、VWC2000万人推進室室長の澤邊宏氏も、「ベトナムは今後1年から1年半で50万人市場になる可能性がある」とし、成長に期待を示した。

 今後の方針についてVN東日本旅客営業部次長の青木英雄氏は、「ベトナム中・北部を滞在型リゾートディスティネーションとして打ち出す」と説明。これは、VNが2010年から日本路線を便数ベースで117%増と大幅に増便し、日本航空(JL)とのコードシェア便を含めると、日本/ベトナム間の便数が合計週48便に増加することを受けたもの。ベトナム中部のフエ、ダラット、ニャチャンなどへの同日乗継が可能な日本路線が増えることを追い風にする考え。

 すでにVWCと共同で中部ベトナムへの研修旅行も実施しており、セミナーでは研修旅行に参加した日本旅行東日本海外旅行商品部マネージャーの鈴木千春氏がプレゼンテーションを実施。同氏は、「世界遺産」「美しいビーチ」「多数のリゾートホテル」「ヘルシーなベトナム料理」「新しくオープンしたカジノ」「スパやマリンスポーツ」「ゴルフ場2施設」の7点を中部ベトナムの魅力として列挙し、シニア層から若者層までを取り込める観光素材があると説明。海岸沿いのリゾートホテルがオープンする2年から3年後には、「間違いなくベトナムを代表するビーチリゾートになる」と強調した。

 このほか、青木氏はベトナム以遠のデスティネーションへの接続の利便性も強調。これまでのラオス、カンボジアに加えミャンマー(ヤンゴン)、中国(昆明、広州)への接続便を使ったインドチャイナ地域の周遊型旅行を提案。旅行会社向けのコミッションの維持をアピールしつつ、「粗利の見込める周遊型旅行の造成にぜひ役立ててほしい」とアピールした。

 なお、ベトナムの2010年1月から3月の日本人訪問者数は前年比約12%増の11万733人。VNの成田/ハノイ線および成田/ホーチミン線の搭乗率も83.9%を記録しているという。