ジャパンホリデーツアーズ、ウェブ開設で販売拡大めざす−人材育成強化も

  • 2010年3月15日
 訪日外国人向けの旅行商品を販売、企画、実施する会員組織「ジャパンホリデーツアーズ(JHT)」は2010年度から販売の拡大やインバウンド振興に向けた人材育成を進めていく方針だ。JHT委員長を務める近畿日本ツーリスト(KNT)中国・アジアセンターセンター長の後藤順氏は、「2010年は国をあげてインバウンドに注力していく年。外部との交流を深めてさらにがんばっていきたい」と意気込みを述べ、オンライン予約システム稼働やセミナー開催などでJHTの存在感をアピールしていく。同日は観光庁国際交流推進課長瓦林康人氏によるセミナーも開催、会員各社の実務担当者など約30名が集まった。

 JHTは1970年に発足、当初5社程度だったが現在16社にまで拡大した。このうち4社が募集型企画旅行を企画、催行し会員会社が提携し販売している。2010年は、阪急交通社では沖縄に滞在するツアー、日本旅行では奈良と京都を歩いて巡るツアーをそれぞれ新たに設定するなど、BtoB、BtoC向けに12商品を揃えた。また、これまで紙のパンフレットを年に1回作成、配布して告知や販売をおこなっていたが、4月に新たに公式ウェブサイトを開設。各種ツアーの紹介とオンライン予約が可能となり、具体的な目標値はないものの集客力の向上を見込んでいる。

 また、現在取り扱う商品はイングリッシュスピーカーが対象で、日本に初めて訪れる外国人やビジネスで滞在中に日本の観光したいという人など向けの定番ツアーがメイン。今後は新規需要の開拓をめざし、自然と触れ合うエコフレンドリーツアーや歴史・史跡を探求するエデュケーショナルツアー、和食をテーマにしたヘルシーなグルメツアーにも取り組んでいきたいという。


▽インバウンド市場での人材育成にも注力

 また、東日観光国際旅行部部長の佐藤博史氏は、「JHTは実務レベルでの協力や課題に取り組める組織。コストやガイド不足など1社でクリアにできないことも助け合っている」と話し、さらなる連携強化と人材育成にも注力する姿勢を示す。これまでにも若い社員向けのインバウンド研修や京都FAMツアー、ホテル視察などの活動を実施している。2010年も研修やセミナーの場を設け、成長分野であるインバウンド市場を担う人材の育成に取り組んでいく。