楽天トラベル、ダイナミックPKG拡充で「総合化」を推進

  • 2008年7月9日
 楽天トラベルは今後、ダイナミック・パッケージのANA楽パックでレンタカー、鉄道、バス、添乗員などを組み込むことで利便性をたかめ、パッケージツアーとしての競争力を高める。楽天トラベル代表取締役社長の岡武公士氏は7月8日に開催した「楽天トラベルサマーフォーラム2008」において、「われわれは宿泊で伸びてきた。ただし、この10年間、大手旅行会社の流通高は変わっておらず、交通機関が付く『旅行』マーケットで伸びたわけではない」と言及。その上で、「素材提供型のエージェントが『旅行』マーケットで拡大するには、キャリアの理解、業界の文化の変化が必要だった」とし、全日空(NH)とのANA楽パックの開始により、「旅行」マーケットでの伸張のきっかけとなった経緯を説明した。ANA楽パックの2008年第1四半期の予約流通総額は前年比172.6%増となり、2人以上の予約流通総額も会社全体の取り扱いの28.9%増となり、レジャー需要の取り込みが成功しているという。この強化策として、7月からはレンタカーの予約を開始。鉄道も「ハードルは高い」としつつ、東日本旅客鉄道と共同企画を実施したことを契機に、今後の連携を強化したいとの考えを表明した。

 交通機関の取り扱いの多様化は、楽天トラベルの「総合(旅行会社)化」の方針にそったもの。2008年第1四半期は、ユニークユーザー数が1000万人を超え、売上高が28.4%増の37億500万円、営業利益は2.8%増の13億2700万円、予約流通総額は22.9%増の602億3000万円、予約宿泊数は16.3%増の663万5000泊と順調な推移を見せているが、海外旅行への取り組みを含め、「総合化」を強力に推進する。海外ホテルの契約数は1万 8299軒となり、上海とソウル、グアム、バンコクに現地法人や駐在所を設置。2007年の第1四半期から第3四半期までの累計で、中国のホテルの予約流通総額は163.9%増、韓国は154.5%増、タイは255.0%増、グアムは159.0%増と、それぞれ堅調な増加率を示している。

 販売チャンネルの拡大も目指す。特に、国内施設の予約流通総額に占める携帯電話からの予約シェアは、2008年第1四半期には2.1ポイント増の12.5%となり、コールセンターも2008年上期に400%増を記録。コールセンターでは15名から20名程度の団体やシルバー層、出張手配などの受注も目指しており、こうした点でも「総合化」を図っていく。

 なお、今後は名物添乗員を予約できるようにするなど「高付加価値サービス」も提供していく方針だ。