銀行法の改正、シニア層の高い旅行意欲で旅行会社に新たなチャンスか

  • 2005年11月16日
 AIU保険、トラベルビジョンなどで主催した旅行業を考える会セミナーにおいて、金融庁総務企画局信用制度参事官の大森泰人氏が銀行法等の一部改正に伴う新しい銀行代理店制度について説明。この中で旅行会社の代理店参入について「有望」という認識を示し、運用についての積極的な意見も求めた。

 改正法を国会で審議する際、百貨店、量販店などに代理店カウンターを設置して銀行口座の開設、自動車販売店や宅建業者など金額の大きいローンなどに設置するなどを想定。旅行会社についても、当初からカウンターでの外貨預金や両替を行うことを予測している。
 改正法は現段階で、銀行側の顧客利便性の向上の観点から販売チャネルの拡大、多様な金融サービスの提供などのほか、効率的な業務遂行というメリットを想定。ただし、懸念材料として顧客に対して銀行代理店と旅行会社であるならば本業である商品販売と抱き合わせて媒介を行うことをはじめとする大枠を定めたものに留まる。旅行会社の具体的な参入については、「政令・省令を見てから、検討して欲しい」(大森氏)としており、この要件については12月末から、1月初旬ごろに決定。業務内容に従い、様々なハードルもあるが、金融庁がこの件で実施するパブリックコメントにおいて、「いろいろと意見して欲しい」としている。

 また、博報堂生活総合研究所所長の林光氏は、旅行会社の銀行代理店の参入について、「シニア層、団塊世代など旅行の意欲は高い。さらに、旅行は財布の紐がゆるむという調査結果もある。銀行代理店と組み合わせ、代理業であることのメリットとして情報・人をうまく結びつけ、最高級のサービスを提供することにビジネス・チャンスがある」などと可能性を語った。