訪日362万人で3月過去最高、中東情勢による燃油高騰の影響は注視 観光庁村田長官会見

観光庁村田茂樹長官

 観光庁の村田茂樹長官は4月15日の定例会見で、2026年3月の訪日外国人旅行者数が約362万人となり、3月として過去最高を更新したと発表した。1~3月期の訪日外国人旅行消費額も約2.3兆円と第一四半期として過去最高となり、インバウンドは拡大基調を維持している。一方で、燃油価格高騰による航空運賃への影響など外部リスクについては注視する姿勢を示した。

 市場別では23の国・地域のうち、中国、香港、中東を除く20市場で3月として過去最高を記録し、インドネシア、ベトナム、米国、カナダ、英国、ドイツ、北欧では単月としても過去最高となった。長官は「インバウンド全体の傾向としては好調な状況が続いている」と述べ、市場分散の進展を評価した。

2026年訪日外国人数・出国日本人数(前年比)
訪日外国人数出国日本人数
2025年2026年前年比2025年2026年前年比
1月3,781,6293,597,88195.1%912,2981,072,602117.6%
2月3,258,4913,466,700106.4%1,181,0621,093,25092.6%
3月3,497,7553,618,900103.5%1,423,4491,519,000106.7%
4月3,909,128961,386
5月3,693,5871,076,756
6月3,377,9851,054,045
7月3,437,1181,205,435
8月3,428,4061,648,279
9月3,267,2281,394,525
10月3,896,5241,243,575
11月3,518,1951,330,014
12月3,617,7911,300,791
1~3月10,537,87510,683,500101.4%3,516,8093,684,900104.8%

出典:日本政府観光局(JNTO)

 一方で、中国は訪日自粛の動きや、中東は情勢不安による航空便の欠航・減便の影響などを受け減少した。特に中東は前年同月比で3割超の減少となり、外部環境の変化が訪日需要に影響している。

出国日本人数は回復基調

 アウトバウンドについては、3月の出国日本人数が約152万人となり、前年同月比約7%増と回復基調を示した。長官は足元の動向について、中東情勢による旅行商品の手配価格上昇の声が一部であるとしつつも、夏休み期間の旅行をゴールデンウィークに前倒しするなどの顕著な需要変化については「現時点では把握していない」と述べ、引き続き動向を注視する姿勢を示した。

消費額2.3兆円、宿泊シフト鮮明

 インバウンド消費に関しては、2026年1~3月期の訪日外国人旅行消費額が約2.3兆円となり、第1四半期として過去最高を更新した。前年同期比で2.5%増を記録しており、訪日客数の増加に加え、平均宿泊数の伸びが寄与したとの見方を示した。

 消費構造では、宿泊費の割合が上昇する一方、買物代は減少傾向となっている。長官はこの背景について、中国人旅行者の減少に触れ、「中国の方は1人当たりの買い物支出が比較的高い」と指摘し、客層変化が消費構造にも影響していると分析した。

 また、1人当たり旅行支出は約22.1万円で横ばいとなったが、訪日客数の増加により総額は拡大している。さらに消費の経済波及効果については「おおむね2倍程度」とし、1~3月期で約5兆円規模に達するとの試算を示し、観光の経済的インパクトの大きさを改めて強調した。

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