失敗しないシニア活用方法とは?観光業界が気をつけるべきポイント5選-シニアジョブ中島康恵氏

  • 2025年6月23日

4.同世代をもう1名採用する

 シニアがいきいきと仕事をするためには、シニア1名だけで働いてもらうよりも、同世代をもう1名採用することがおすすめです。

 仕事がないのに無理して採用する必要はありませんが、シニアの場合、求人情報でも「他にも同世代が働いているのか」を気にする傾向があるため、もう1名同世代を採用すると、コミュニケーションが活発になり、活躍しやすい環境に近づきます。

5.デジタルツールの免除はNG

 シニアの活躍が増えるにしたがって、シニアの労災も話題になっています。職場環境をシニアが怪我をしにくいように整備することは重要ですが、デジタル環境については、シニアだけに配慮すると逆効果になるかもしれません。

 デジタルが苦手そうなシニアに、良かれと思って仕事の上でのアナログ対応の特例を許可すると、本人は一時的に喜ぶかもしれませんが、社内での孤独感が増し、最終的に離職につながりやすくなります。

 デジタルツールを覚え、慣れることを苦痛に感じるシニアや、なかなか覚えられないシニアもいますが、なるべく特別扱いはせず、全員と同じツールを使ってもらうのがよいでしょう。

 そして実は、シニアのコミュニケーション不足には大きな注意が必要です。

 シニアは他の世代に比べても、悩みや孤独感を表には出さずに抱えることが多く、一見問題なさそうに明るく業務を進めていたシニアが急に退職してしまうことがあります。コミュニケーション力の高いシニアであっても、若い世代から嫌われたり引かれたりしていないかの不安を抱えて遠慮し、一歩引いてしまうことで、コミュニケーション不足に陥りがちなのです。

 私自身も初めてシニアを採用した際は、一緒に飲みに行くなどコミュニケーションを取っていたつもりでも、あとからシニアがコミュニケーション不足を感じていたと知って驚きましたが、シニアを活用する場合には意識的にコミュニケーションの機会を増やすようにしましょう。

中島 康恵
株式会社シニアジョブ 代表取締役。1991年5月生まれ、学生時代までサッカーに打ち込み、J1ユースチームで活躍。大学4年に出資者と仲間を見つけて起業。翌2014年8月に法人登記。2016年よりシニア専門人材紹介を始め社名を変更。2022年にシニア専門求人サイトをオープン。