サウジアラビア、日本人が行きたい旅行先トップ10めざす、世界からは2030年までに1億人

  • 2022年7月5日
サウジアラビア政府観光局事業開発マネージャーの岡田有希帆氏

 セミナーでは事業開発マネージャーの岡田有希帆氏がサウジアラビアの最新情報やおすすめのスポットなどのプレゼンテーションをおこなった。同国では国家戦略として「ビジョン2030」を掲げており、「活気ある社会」「盛況な経済」「野心的な国家」をキーワードにエネルギー産業中心から脱却し、医療や農業、鉄鉱などの分野で改革をおこなっており観光もそのひとつだという。

 観光のターゲットはレジャーを中心にMICEやメッカ、メディナへの巡礼旅行となり、レジャーでは、「遺跡が多くあるので歴史、文化好きのシニアのほか、女子旅も積極的にプロモーションしていきたい」(岡田氏)と意欲を述べた。

 渡航については2019年9月から発行しているE-ビザがオンラインから取得が可能で、費用は約1万5000円。1年間有効で1回の滞在期間は90日となっている。またこのほど入国に際して必要な新型コロナ対策接触アプリの準備が必要なくなり、サウジアラビアへの渡航はE-ビザと入国プラットフォームの「Muqeem」への登録のみとなった。ワクチン接種証明やPCR検査の必要もない。

 また岡田氏は「サウジアラビアは治安が非常によく女性一人でも安心して旅行できる」とアピール。現地での規制も緩和されており、例えば女性の民族衣装「アバヤ」は外国人が着用する必要はなくなったという。

商談会の様子

 デスティネーションでは今後の観光の定番となる「リヤド」「ジェッダ」「アルウラー」を紹介。首都のリヤドは人口700万人で政治、経済の中心都市。元々、砂漠に作られたため今後も高層ビルなどの都市開発がすすめられている。見どころは、3700点以上の古美術品の展示やアラビアの歴史を知ることができる国立博物館や、世界遺産でサウジアラビア発祥の地と言われるディルイーヤを紹介。

 紅海沿岸にあるジェッダはメッカ、メディナが近く世界中から巡礼者が集まる国際色豊かな都市。ランドマークとして有名なファハド王の噴水は高さ312メートル、時速375キロの噴水を見ることができる。そのほか、ユネスコに登録されている旧市街のアル・バラドは木造の鮮やかな建築やスークなどが楽しめる。

 アルウラーは遺跡が多く、巨大墳墓マダインサーレは砂岩に彫刻が彫られており、紀元前2世紀ごろに栄えたナバテア人のお墓と言われている。ここにあるエレファントロックでは夜にはライトアップされグランピングが楽しめる。

 そのほか「ギガプロジェクト」と呼ばれる大規模な開発がすすめられており、そのひとつである「ネオム」はニューヨークの33倍以上の広さをもつスマートシティ構想。再生可能エネルギー100%の利用や自動運転など、未来型で持続可能な街として2030年までに竣工が予定されている。また「紅海プロジェクト」は2030年までに年間100万人の宿泊客を目標に開発がすすめられており、50施設、3000室の宿泊施設の建設が予定されており国際空港もオープンする。