ニセコのPMSからリゾート予約プラットフォームへ-RoomBoss代表ジュリアン・カー氏

宿泊施設も旅行会社も予約完了までワンストップで
観光産業の人手不足にも貢献

-RoomBossの予約ページに遷移しても、ドメインはその宿泊施設のドメインのままということですか。

カー BtoCで使う場合にはRoomBossのブランドは一切出てきません。あくまでもその宿泊施設のブランドで予約を取り扱えます。サービス提供者と契約をしておけば、宿泊施設がリフト券を売ったり、レンタルスキーの手配をしたり、スキースクールの手配もできます。

-海外でRoomBossを使っているのはOTAが主体ですか。

カー OTAとも繋がっていますが、RoomBossの強みは海外のスキーツアーを取り扱う中小旅行会社のユーザーが多いことです。コロナ前まではニセコのコンドミニアムの売上の30%から40%が、こうした中小旅行会社経由でした。残りの半分がOTAで、半分が直接予約です。

-海外の中小旅行会社ユーザーは、オーストラリアだけでなく世界各国にいるのですか。

カー イギリス、ヨーロッパ、北米、それからアジアにもいます。ニセコに初めてやって来るスキー客は旅行会社で予約する傾向があり、どんな宿泊施設があってどこがお勧めか、アドバイスをほしがります。例えば子供がいる家族ならバスのアクセスが良いコンドミニアムやペンションがお勧めだ、など。RoomBossは旅行会社が求められるこうしたアドバイスにも役立てられます。

-RoomBossはニセコ以外の地域でも使われているのですか。

カー 北海道では留寿都で、スキースクールの予約管理システムと、スキースクールのBtoC用オンライン予約システム、ホテルのBtoBシステムが使われています。キロロでもスキースクールの予約管理システムとBtoC用イベント販売システムとして使われています。本州では白馬や野沢といったスキーリゾートで使われています。また、インドネシアやタイのプロパティ管理会社でもRoomBoss PMSは使われています。

-オーストラリアからやって来たエンジニアが作ったシステムが日本で受け入れられるまでには、苦労も多かったと思います。

カー 受け入れられた一番大きな理由は、いまユーザーとなっている各社のニーズをすべてカバーできるシステムがなかったことです。大会社が提供するシステムはニッチなニーズまではカバーしません。RoomBossを始めた頃は、まだバケーションレンタルのマーケットは小さくメジャーではなかったので、対応するオンラインシステムがありませんでした。それでこの分野のPMSのニーズが浮いていたわけです。

 それに加えてRoomBossは、オペレーションやレポートといったPMS機能を提供するだけでなく、他社のアクティビティなども販売できる機能を搭載し、BtoBでもBtoCでも利用できる点が評価されたのだと思います。

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