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ニセコのPMSからリゾート予約プラットフォームへ-RoomBoss代表ジュリアン・カー氏

宿泊施設も旅行会社も予約完了までワンストップで
観光産業の人手不足にも貢献

-沖縄のタイムシェアリゾートなどでも利用できそうですね。

カー 可能だと思います。現在でも、他のPMSを使っているコンドミニアムなどが、オーナーへのレポートシステムとしてRoomBossを使っているケースもあります。APIを使い他社のPMSとデータ融合できるので、データを引っ張ってきてRoomBoss内で計算してオーナーにレポートできます。

-日本の中小旅行会社がRoomBossを利用するとしたら、どのような可能性がありますか。

カー パッケージツアーではなく、例えばFIT客の要望を受けて、コンドミニアムやその他のアクティビティの手配をオンラインでしたい場合、RoomBossを導入していればワンストップで簡単に実現できます。

-富裕層の顧客を持つ中小旅行会社などに向いていますね。

カー 正直なところ、年間1件程度の取り扱いでは契約しづらい面がありますが、ホールセーラーのような立場の会社がRoomBossの仕組みを使ったBtoBシステムを立ち上げ、そこと契約する形で1件1件のニーズを束ねて吸い上げられるようであれば、双方にメリットが大きいと思います。

-コロナ禍もようやく落ち着き始める兆しがあり、22年は光明が見えてきましたが、何か攻めの戦略を考えていますか。

カー これからリゾートで大問題になってくるのはスタッフ不足。ニセコではコロナ禍前にいたスタッフが、外国人スタッフも含めて何千人も町を離れて行ってしまいました。10年以上かけて増やしてきたスタッフがいなくなってしまったのです。ビザの問題もあってすぐにスタッフを揃えることは不可能です。そうなると、テクノロジーを使って人の代わりをさせ、少ないスタッフ数でかつてと同じ客数に対応できる仕組みが必要です。

 日本に来られるようになったら、すぐにでも来たい人はいっぱいいます。ですから、これから飛行機不足と人手不足が一番の問題になるのは間違いありません。その問題に対処するためにも、お客さんが自分で選んでオンライン予約できるシステム、それも複数の会社のサービスをワントランザクションで取り扱えるシステムが重要になってくると思います。

 チェックイン後に宿泊客が帰りの交通手段や滞在中のアクティビティを要望した場合、宿泊施設が要望に対応するのは大変だし、時間も取られます。それらの情報収集や予約作業を、宿泊客が自ら到着前に済ませておいてくれれば、宿泊施設は労力を少なくできます。そのいった意味でもRoomBossの利用価値は高まっていくと期待しています。

-ありがとうございました。