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OTOA、アフターコロナの危機感と可能性の両面を語る

現地手配のアプリ化に可能性も

 アフターコロナの海外旅行ビジネスの環境変化に危機感を募らすOTOAだが、大畑会長は新たな可能性についても言及。「海外旅行はOTAにシフトしており販売シェアを伸ばしている。消費者は航空券もホテルもウェブで購入し、残るはバスや車、ガイドの手配だが、そこをカバーするツアーオペレーター提供のアプリが出てきても不思議はない」として、海外のオペレーターが日本人向けのサービスをウェブアプリで提供する可能性を指摘した。

 その上で「それを日本人が使う可能性もあるが、日本人は信用、信頼を重視するため日本のサービスを求める傾向があり、日系のツアーオペレーターがアプリを作って進出していくと旅行業界の形が変わるかもしれない」と占う。大畑会長は「時代と共に起きるいろいろな変化に乗って行かねばならない。なぜなら、われわれは中小企業だから。大手にはできない対応が求められる」とアフターコロナの海外旅行ビジネスで勝ち残るための方向性を語った。

正会員数は108社に

 第31回通常総会で報告された正会員数と賛助会員の状況によれば、21年度の期中において退会を表明した会員は1社もなかった。これは21年度の年会費については半額を返金する特例措置を取った成果と見られる。またアウトバウンド再開の光が見え始めたためか年度末に退会する会員数も昨年の半分以下だったという。その結果、退会会員6社・新規入会会員3社で、22年3月末時点の正会員数は前年度から3社減の108社となった。新規入会会員6社のうち、1社は一旦退会していた会員の再入会で、2社はアウトバウンド再開を見据えた入会となっている。

 なお賛助会員については、入会が国内1社、退会が8社(国内3社、海外5社)で22年3月末時点の賛助会員数は前年度から7社減の35社となった。

 また22年度事業計画には、初めて「正会員、賛助会員の入会促進」が盛り込まれた。「正会員、賛助会員が少しずつ減少してきた。活動に賛同し参加する会員をいかに増やしていくかが重要であり、既存会員に協力を促す」(遠藤洋二専務理事)のが狙い。OTOAに関する理解促進、認知度向上により新入会員の獲得・拡大に努め、会費収入の増加による協会活動の安定化を図っていく方針だ。