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地域に分け入るJAL社員たち~青森県弘前市編~

  • 2022年3月28日

弘前観光から津軽周遊観光へ
観光客目線で魅力発信に取り組む

-今後の需要回復も見据えて、コロナ後はどのようなターゲットにどのような商品・素材を紹介していきたいですか。

 津軽地方にはまだまだ知られていない観光体験の素材が眠っていて、知られていないことが逆に魅力的な場所だとも感じる一方で、問い合わせは電話のみなど、観光客が手軽にアクセスできる環境が不足していました。そこで「ClanPEONY 津軽」で、観光体験商品をWEBから予約決済できるプラットフォームを観光情報サイト「津軽なび」内に立ち上げました。地元の観光事業者は「情報を届けやすく、売りやすく」、観光客は「分かりやすく、予約しやすく」なります。また、多言語翻訳することでより多くの方に津軽の魅力を届けたいと思っています。

 また、アフターコロナの新たな可能性として、ワーケーションでも弘前に訪れていただけるよう取り組みたいと考えています。昨年、ある新聞の調査で「テレワーク環境が充実している全国の人口10万人以上の都市ランキング」第5位に弘前市が紹介されました。Wi-Fiスポットの多さやコワーキングスペース拠点が多い点が評価されたそうです。こうした利点を活かして、これまで日帰り出張していた方が宿泊し、翌日観光して帰るなど、宿泊増加につなげていきたいと考えています。

コワーキングスペース「HIROSAKI ORANDO」

-観光事業者や他の自治体と連携して取り組みたいことがあれば教えてください。

 今後、場所にとらわれない働き方がよりしやすくなってくると、都市と地方の二拠点生活だけでなく、魅力の異なる地方間での二拠点生活を志向する方も増えるのではないかと思っています。北国の方は南の温暖な生活に憧れたり、南の方からみれば雪国での暮らしを新鮮に感じたりもします。異なる自然の魅力をもつ自治体と連携して、それぞれの「日常」を体験してみるような観光も考えられたら面白いと思います。

 また青森県には、昨年7月に世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」と、日本で初めて世界自然遺産に登録されてから来年で30周年を迎える「白神山地」の2つの世界遺産があります。それぞれ県を超えて広域にまたがっている世界遺産ですので、新旧の世界遺産に訪れてもらうために、北海道や北東北各県と一緒にPRする取り組みを考えていきたいと思います。

国際広域観光課 課長 佐藤真紀さん

国際広域観光課のメンバー。後方の中央が佐藤さん。 国際広域観光課は、広域連携による観光地域づくりの推進と外国人の誘客促進を主な業務としています。特に、観光地域づくりの推進においては、津軽地域の観光を戦略的に盛り上げるために設立した「ClanPEONY津軽」を中心に、地域が一体となって稼ぐ仕組みづくりができるよう活動に参画し、観光資源の掘り起こしや磨き上げ、将来の観光を担う人材の育成や情報発信の仕組みづくり等に取り組んでいます。

私は、お客様や市民の方と直接接する業務経験が多く、いわゆる現場の声というものに多く触れてきました。そのなかで培った知見を生かし、現場感覚を大切に観光振興に取り組んでいきたいと考えています。

-観光資源やお薦めの食、特産品などをご紹介ください。

 弘前市は、藩政時代以来約400年の歴史を持つ城下町であり、津軽地域の政治、経済、文化の中心都市として発展してきました。東に八甲田連峰を望み、西には津軽富士と称される岩木山、南西には世界自然遺産白神山地を擁する自然に恵まれた街です。また、昨年世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産の1つである大森勝山遺跡も、新たな観光資源として注目されています。

 全国に誇るのはりんごです。「青森県=りんご」のイメージが強いと思いますが、生産量日本一の町が弘前市です。品種も豊富で、全国的に流通していない希少な品種を地元のスーパーや直売所で買うことができます。また、市内の多くの菓子店でりんごを加工したオリジナルのアップルパイが販売されています。お店ごとに特徴が異なりバラエティーに富むのは弘前ならではだと思いますので、観光の際には、市内40店舗以上が掲載されているアップルパイガイドマップを片手に巡って楽しんでほしいです。

りんごの街のアップルパイガイドマップは大人気

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