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地域に分け入るJAL社員たち ~静岡県編~

  • 2022年2月3日

魅力ある体験の充実へ 目指すは「ホノルルセンチュリーライド」とのコラボ
インフルエンサーチームを結成してプロモーションに注力


-今後の需要回復も見据えて、コロナ後はどのようなターゲットにどのような商品・素材を紹介していきたいですか。

 東海エリアからの日帰りが過半を超えている現下、消費額をいかにして増やすか、滞在時間が長くなる工夫と商品づくりが課題です。ふらっとランチで立ち寄り、ウナギや浜松餃子を召し上がって帰るお客様も大切ですが、浜松・浜名湖を周遊して、観て、食べて、体験して、宿泊してもらうことが地域の活性化につながります。

 滞在時間を長くするためには、魅力ある「体験商品」が充実していることが重要だと思います。浜松・浜名湖には、先ほどご紹介した「たきや漁」のほか、釣りや地引網、サーフィンやSUP、カヌー、パラセーリングなどのマリンスポーツ、一周約70kmの浜名湖を自転車で旅するサイクルツーリズムもあります。浜名湖の北部の山々ではミカンや柿などの味覚狩り、トレイルランニングやノルディックウォーク、宿坊体験もできます。また、「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」に「エヴァンゲリオン」と「ゆるキャン△」がダブルで登録されており、アニメツーリズムにも力を入れています。

地引網

-観光事業者や他の自治体と連携して取り組みたいことがあれば教えてください。

 毎年9月に実施されJALが協賛している「ホノルルセンチュリーライド」とコラボができないかと考えています。日本の湖の周囲長トップ3が、滋賀県の琵琶湖、茨城県の霞ケ浦、そして浜名湖であり、それぞれ1周することを「ビワイチ」、「カスイチ」、「ハマイチ」と呼んでいます。海岸線を往復する「ホノルルセンチュリーライド」と、湖を1周する3コース。湖コースの自治体や観光協会、旅行会社など関連する事業者は多数ありますが、遠方からの来訪を促す施策として「日本の湖3コースを制覇してホノルルへ!」といったキャンペーンができないか。海外への行き来が容易にできないなかでは難しい施策ですが、浜松・浜名湖に縁のなかった他県からの誘客には有効だと思います。コラボ実現という目標に向け、まずは国内の3つの湖と連携することから始めたいと考えています。

浜名湖1周サイクリング「ハマイチ」

マーケティング・事業創出部 事業本部長 前田忍さん

岐阜県恵那市出身で、1994年大学卒業後、製薬企業のMRや中堅ドラッグストアのバイヤー、通販企業のリテールマネージャー、食のテーマパークの支配人を経験。その間に名古屋商科大学経営大学院経営学修士課程(MBA)を修了しました。その後、ターンアラウンドマネージャーとして、北海道新ひだか町の静内エクリプスホテルや、2015年には大井川鐵道グループの代表取締役に就任し事業再生を行ってきました。2018年3月に当財団が観光庁より地域連携DMOとして認定され、2018年4月より当財団に事業本部長に就任し、観光事業の陣頭指揮を執っています。

宿泊や鉄道事業という観光業を「経営者視点」でマネジメントしてきた経験から、地域再生や地方の活性化は机上の理論ではなく確度の高い戦略の策定と実際に推進するリーダーシップが重要であると考え、浜名湖観光圏の魅力を多くの方にご体感いただくための仕組みを作っています。

-観光資源やお薦めの食、特産品などをご紹介ください。

 観光とは「ハブ&スポーク」の理論で成り立っています。そして集客力の高い「ハブ」は当地域においては浜名湖です。浜名湖では多様なマリンアクティビティはもちろん、浜名湖の真ん中に船で行き降り立つ「映える」体験などもあります。食については、浜名湖は鰻の養殖発祥の地であり、スッポンや遠州灘で獲れるトラフグも有名です。年間通じて日照量も多いことから野菜も非常に美味しく、浜松・浜名湖エリアで獲れる食材やそこから作られる料理を民間主導で「浜松パワーフード」としてブランディングを行いながら、健康寿命日本一を支える食の宝庫として認知度を高めているところです。

浜松パワーフード

 また、浜松市と湖西市は世界的にも有名な自動車や楽器などの「ものづくりの街」であり、スズキ歴史館やヤマハイノベーションロードなど、企業の変遷を「見る・学ぶ」ことが出来る施設もあります。観光資源の多様性を有する国内でも特異なエリアです。

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