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ヒルトン、需要回復を見据え「強気に、楽観的に」拡大、2026年までに10軒を開業

  • 2021年12月8日
ヒルトン日本・韓国・ミクロネシア地区代表のティモシー・ソーパー氏

 ヒルトンはこのほど、日本市場のビジネス展開と新規ホテルオープンに関するメディアラウンドテーブルをおこなった。ヒルトン日本・韓国・ミクロネシア地区代表のティモシー・ソーパー氏はコロナ禍の2年間について、「一時的に6つのホテルの閉鎖や稼働率が1桁台になったことを経験し、世界中のビジネス、また日本のホスピタリティ業界にとって非常に厳しかった」と振り返った。ヒルトンではコロナ禍でも次のビジネスに備え、新規開業や契約、テクノロジーの導入、サステナブルな取り組みなどをおこなってきた。

 新規開業では、「ヒルトン沖縄瀬底リゾート(2020年7月)」「ROKU KYOTO,LXR Hotel & Resorts(2021年9月)」「ヒルトン長崎(2021年11月)」などがオープン。さらに新ブランドの「キャノピーbyヒルトン大阪梅田(2024年)」や「ウォルドーフ・アストリア大阪(2025年)」などの開業を予定している。ソーパー氏は市場の状況を見ながらとしつつ「強気に、楽観的に開業をすすめていく」と述べ「東京オリンピック・パラリンピックは無観客での開催となりホスピタリティ業界にとって期待したビジネスとはならなかったが、2025年の大阪・関西万博は非常に期待をしている」と意欲を示した。

「ウォルドーフ・アストリア大阪」外観 完成予想イメージ

 テクノロジーについては、グループホテルの80%以上でデジタル・キーを導入。日本では19軒のホテルのうち12軒で利用ができ、今後も順次導入していく予定だという。また、無料モバイルアプリ「ヒルトン・オナーズ・アプリ」を利用することで同伴者とデジタル・キーを共有することができる。

 サステナブルな取り組みは、2022年までにシーフードの25%を持続可能な商品と認証された供給元から調達することを目標としているが、日本は2021年に達成しており「1年前倒しで達成できたことを誇りに思う」(ソーパー氏)とコメント。また客室の使い捨てプラスチックの削減もおこなっており、例えば客室のペットボトル飲料水は10年以内に自然に分解される生分解性プラスチックボトルに変更、そのほかシャンプーなどの容器をプラスチック製ボトルから新型ディスペンサーに切り替えるなどの取り組みをしている。

需要回復想定は2023年下期、ビジネストラベルはMICEに活路

 ソーパー氏は「日本のホスピタリティ業界は2013年から2019年まで2桁成長をしており、パンデミックが収束すれば、2019年レベル(の需要)に戻ると確信している」と語り、2022年は緩やかに回復、2023年下期にはノーマルな状態に戻ると予測。

 質疑応答でインバウンドが回復した際のターゲットを問われ、「中国や韓国など東アジアが今後も牽引するが、タイやインドネシア、シンガポールなどの東南アジア、さらにオーストラリアが拡大していくのでは」(ソーパー氏)との考えを示した。

 またビジネストラベルの需要についてはコロナの影響により重要性が薄れてきているとして、宿泊よりもMICE領域が大事になっていくとした。その理由を「効率性を考えるとオンラインでのミーティングよりも直接会って話すことに勝るものはないと思う」(ソーパー氏)と語り、国境が正常化するればビジネストラベルはMICEという形で再開できると見解を示した。

※訂正案内(編集部 2021年12月9日11時45分)
訂正箇所:第5段落、第6段落、第7段落
ソーパー氏のお名前を間違って表記しておりました。 お詫びして訂正いたします。