コワーケーションドットコム

リアルの旅行の代替ではないオンラインツアーで地方創生を支える-グローカルプロジェクト代表 河崎靖伸氏

コロナ禍は地域観光を盛り上げるチャンス
地域に入り込むオンラインツアーで関係人口を増やす

-オンラインツアーに関して、新たな企画等の予定はありますか。

河崎 ハイブリッド型のツアーを始めました。お客様はリアルにツアーに参加するのですが、オンラインツアーの仕組みをそのまま使い、ガイドさんは同行せずに貸し出したタブレット端末を介して案内をします。自由に街歩きをしながらガイドツアーを楽しんでもらうというコンセプトです。

-海外の旅行会社へのセールスを代行するセールスレップサービスも手掛けられていますが、こちらの状況はいかがでしょうか。

河崎 この事業は今後も伸びてくると考えています。例えば海外で開催される観光展などについては、これまでは行政の方が直接現地を訪れていましたが、最近では代行の依頼が増えてきました。企業の出張が減るのと同様に、今後は行政の渡航も縮小してくと思うので、インバウンドの回復の目途が立ってきたら代行の需要は増えると考えています。現在当社では韓国、台湾、香港など東アジアの地域でのサービスを主力としています。

-旅行会社は今後どのように変わっていくとお考えですか。

河崎 大手旅行会社はこれまで、旅行商品の造成と観光づくりの両輪でやってきましたが、コロナ禍になり、観光づくりや行政的支援にシフトしてきています。ですが大きな組織は担当者も代わっていくので、はじめにお話した通り「どっぷり入れない」というデメリットがあります。その点、今はベンチャー系の会社の方が地域に入り込めています。

 今後も旅行会社が観光づくりにシフトするのであれば、例えば社内ベンチャー制を採るなど、組織体としての考え方を大きく転換して、観光の様々な分野にプロフェッショナルとして入っていけるように変わる必要があるのではないでしょうか。

-トラベルビジョンの読者である観光産業の方々へのメッセージや提案をお願いいたします。

河崎 今は厳しい環境にあるからこそ、これまでやりたいと思ってもできなかった新しいことができるチャンスだと思っています。観光産業のこの1、2年の様子を見ても、リノベーションやワーケーションなどという言葉は聞くものの、残念ながら突拍子もない面白いものはまったく生まれていません。私たちがオンライツアーを始めたときも、業界の方に最初に言われたのは「旅はリアルでなければ駄目だ」ということでした。ですが私たちは、観光産業が否定するのであれば、そこにチャンスがあるのではないかと考えました。

 例えば嬉野温泉の老舗温泉旅館では、団体の宴会や地元の婚礼などでも使われていた宴会場をお持ちでしたが、コロナ禍になっていち早く地域や行政とも連携し、宴会場を企業のワークスペースに変えた新たなサービスを展開して既に県外から数社が進出してきています。この決断力は素晴らしいと思いますし、これからはそういった転換のアイデアが求められるのではないでしょうか。

-ありがとうございました。