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【蘇州現地レポート】実は日本とも緊密な街。コロナ禍も海外市場でのプロモーションに注力

 上海から100キロ以内に位置する蘇州は、中国国内の観光客にとって常に第一の選択肢でしたが、上海と比較すると世界ではあまり知られていないようです。しかし、その文化遺産と観光資源は上海に劣らず、市内に川が多く水路の交通が便利なことから、アジアのヴェネツィアと呼ばれています。
※この記事は6月26日の情報を基に執筆しています。
※前回の中国現地レポートはこちら

蘇州の観光資源と市場

 古くは吴、ほかに姑蘇、平江などとも呼ばれる蘇州は、中国の歴史文化都市で、ハイテク産業基地である風光明媚な観光都市です。揚子江デルタの重要な中心都市の1つとして、江蘇省揚子江の地域経済の重要な部分となっています。蘇州は亜熱帯モンスーンの海洋性気候で、四季がはっきりしており降雨量が多く、農業が発達し、動植物製品が豊富で、陽澄湖の上海カニに代表されるさまざまな特産品があります。蘇州は中国で最初の24の歴史的、文化的都市の1つで、2500年近くの歴史がある呉越文化の発祥の地です。ほとんどの蘇州の人々は江蘇省と浙江省の民族グループに属しており、呉語を話します。蘇州庭園は中国の私有庭園の代表であり、ユネスコ世界文化遺産に登録されています。中国の大運河の蘇州セクションは、世界遺産リストに含まれていました。

蘇州拙政園

蘇州は2500年以上前に設立されて以来、大小さまざまな戦争を経験してきましたが、街の形態はほとんど変わっておらず、多くの史跡が保存されています。蘇州の庭園、湖と山、そして美しい水郷には、映画やテレビ産業の発展のための自然条件と経済的基盤があります。街の自然の風景は撮影に適しており、毎年100組以上の番組クルーが蘇州で映画やテレビドラマを撮影しています。

蘇州街の川

 蘇州の交通機関はとても便利で、上海と杭州から高速鉄道でわずか1時間です。庭園は主に蘇州の旧市街に集中しており、メインの蘇州駅からはタクシーやバスでのアクセスが可能でとても便利です。また、庭園を含む多くの景勝地は地下鉄駅からもそれほど遠くない場所にあります。



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