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日商エレクトロニクス、旅行・航空業界などのカード決済の不正検知に新サービス-「行動的生体AI認証」技術利用

キー操作などの癖からカード詐欺やなりすましを見抜く

 日商エレクトロニクスは、最先端のセキュリティ技術である「行動的生体AI認証」を活用してカード詐欺やなりすましを検知するセキュリティサービス「Tranfis powered by Nethone」の提供を3月4日から開始した。21年度に売り上げ2億円を目指す。

 日商エレクトロニクスは双日グループのICT事業の中核企業。サイバーセキュリティなどICT技術を生かした各種ソリューションを提供しており、昨年8月からはECサイトにおける不正検知サービス「Tranfis(トランフィス)」をスタートしている。

池上氏  今回はポーランドのテクノロジー企業、Nethone(ネットホン)の独自技術「Known Your Usersテクノロジー(KYUテクノロジー)」を導入することで新たに「Tranfis powered by Nethone」を「Tranfis」のサービス・ラインナップに追加。日商エレクトロニクスDX事業本部第一事業部部長の池上啓司氏は「データ分析に最先端技術を取り入れ、より良いサービスを提供できることになった」としている。

 KYUテクノロジーは、指紋認証や顔認証の先を行くと言われる「行動的生体AI認証」の技術を活かしたもの。ネットホン社は16年から欧州でサービスを開始しており、FarfetchやAzul、ING、LOTポーランド航空(LO)などeコマースや金融、旅行業界等の各社が利用している。

 KYUテクノロジーを使ったクレジットカード不正検知の特徴は、各ユーザーの独自の振る舞いや行動傾向といった癖を行動的生体AI認証技術で見抜き、本人確認の精度を高めている点だ。たとえばパソコンのキーボード操作におけるキー遷移時間やキー押下時間の傾向を、ユーザーの以前のセッションと比較する。

 スマホ利用の場合はスワイプやスクロールの傾向を比較する。こうしたハードウエア情報、ネットワーク情報、振舞検知などに関する膨大な情報を収集し「5000以上のデータポイントを取得することで、複雑な関連性パターンまでを分析し高精度の不正検知を実現している」(DX事業本部第一事業部第一課のムラカル・カヤ氏)という。またユーザーの癖を見抜くため、正規ユーザーが別デバイスでアクセスし取引を要望した際に、不正ユーザーとして誤検知してしまう懸念も解消できる。

旅行商品のオンライン販売の機会損失を解決

 近年、旅行商品のオンラインによる非対面販売の増加に伴い、クレジットカードの不正利用を理由とするチャージバック(売り上げの取り消し)が増加し、利用企業の負担増という問題が顕在化していた。しかしチャージバックを回避する不正防止対策を強化すればするほど作業工数が増え企業側の負担が増大する。

上野氏  3Dセキュアの導入も選択肢の一つだが、導入による離脱率、いわゆる「カゴ落ち」は2~3割ともいわれ機会喪失につながる。このため同社DX事業本部第一事業部専門部長の上野貴寿氏は「不正被害排除と機会喪失削減と作業工数削減のトレリンマをバランスよく解決する必要がある」として、Tranfis powered by Nethoneがトレリンマを解決するサービスというだけでなく「セキュリティ堅牢性の向上やパスワード管理業務の簡素化にもつながり、アカウントの乗っ取り防止、重要アカウントの保護にも効果が大きい」と強調。

 旅行業界はコロナ禍の終息とともにリバウンド需要が発生すると予想され、非対面取引の不正購買行動も再燃すると危惧される。上野氏は「リスクを回避したうえで好機を逃さないために有効なはず」とアピールする。

アカウント乗っ取り対策サービスの動作イメージ

 さらに日商エレクトロニクスは将来的に、KYUテクノロジーで蓄積したデータやプロファイラ情報を活用して、EC事業に関するカスタマーエクスペリエンス向上やエンゲージメント強化、コンバージョン率の向上を支援するサービスも展開していく計画を持つ。不正防止対策としてTranfis powered by Nethoneを導入すれば、「データ蓄積で先行し、行く行くはマーケティングで優位に立つ状況も想定できる」(上野氏)としている。