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観光産業のためのLGBT基礎知識 ~正しく知ることからはじめよう~

LGBTツーリズムの市場規模は20兆円
日本はLGBTフレンドリー国ランキング55位

LGBTQツーリズムとは?

 LGBTツーリズムとは、LGBT旅行客が安全に、差別を受けることなく気持ちよく旅行を楽しんでいただけるような環境を整えていく施策、課題解決のことを指します。

 前提として、マーケティング的なお話をすると、LGBTの旅行市場規模は本当に膨大で、国際旅行においてLGBTが占める割合は約10%、世界のLGBT旅行客の市場規模は約2020億ドル(約20兆円)との試算が出ています。

 LGBTが旅行先を決めるうえで最も重要なのは、そこがLGBTフレンドリーであるかどうか、ということです。同性愛者が逮捕されたりする地域は当然のことながら敬遠され、LGBTフレンドリーでしっかり施策が進められた地域に(富裕層を含む)LGBTツーリストが押し寄せ、大きな経済効果を生み出す傾向にあります。

 LGBT旅行ガイドとして有名な『スパルタカス』誌が世界138カ国を対象に・LGBTを狙った犯罪がない、・同性カップルの権利を認める法律が制定されている、・官民コミュニティが一体となってLGBT旅行者の誘致を進めている、といった基準で判定した「LGBTフレンドリー国」ランキングを発表しています。日本は現状、世界55位ですが、もっと上位を目指せるはずです。

 では、日本が持っている観光資源のポテンシャルを活用し、世界のLGBTソサエティでプレゼンスを高めながら、LGBTツーリストのお気に入りのデスティネーションに選ばれるようになるためにはどうしたらよいのか、ということを、これから数回にわたってお伝えしていこうと思います。

 

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