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コロナ禍の夏、日本/シンガポールの往復体験-シンガポール在住の友瀬氏

  • 2020年10月5日
9月下旬、シンガポールに入国

出国時の成田の様子。人がおらず閑散としている  帰りは9月下旬に成田から出国しました。成田でのチェックは特段なく、チェックインの時にビザの有無などを聞かれた程度です。帰りの飛行機はほぼ日本人で、人数は行きと同じ20名ほどでした。

 チャンギ国際空港での入国はとてもスムーズでした。検温は空港に設置されている機械で自動的に測っていたようです。シンガポール在住者の場合、イミグレーションでは係員がいる場所を通り、健康状態などを質問されたほか、健康に関する質問書の提出もありました。荷物をピックアップをした後はしばらく待ち、その後係員の引率の上でバスに乗りました。どこに行くかなどは知らされなかったので驚きました。バスに乗ってからも特に何の連絡もなく、ドアが閉まっていきなり出発し、暗闇の中を市街地に向かいました。

 その後は政府が予約したホテルに到着し、2週間の待機期間に入りました。ホテルでの滞在代は個人負担で、飲食を含めて2週間で2000シンガポールドル(約15万4500円)でした。

2週間の隔離期間はホテルに缶詰状態

ある日の食事メニュー。デザートにケーキが出た  隔離期間はホテルの中で軟禁状態です。私の場合は市街地の中心部にあるリージェントホテルでの待機となりました。ホテルに到着してからは、自分の個人情報や健康状態などを埋めるシートに必要事項を記入して提出し、その後ホテルのスタッフに客室まで誘導されました。食事は昼ご飯と夜ご飯だけ選択でき、最初にシートで選択してからホテル側に提出します。それからは客室から一歩も出ずに過ごしています。ベッドのシーツ替えやタオルの交換、部屋の掃除などは自分でします。ジムにも行けず、1人で待機するので寂しいです。

 洗濯はランドリーサービスが利用できます。自分の場合はあらかじめ隔離期間があることが分かっていたため、シンガポールから出国するときに、シンガポールの家に隔離生活用のスーツケースを用意しておきました。ホテルが決まった後、妻にホテル宛に荷物を送ってもらったので、サービスは利用していません。

 シンガポールの保健省からは不定期にチェックが入ります。滞在して1週間のうちに電話が1回あり、メッセンジャーアプリ「ワッツアップ」で連絡が来て話しをして、名前と本人確認のために外国人登録番号(FIN)を伝えました。また、本当に待機しているか動画に切り替えて部屋を映したりしました。あとは、係員が2回直接ホテルの部屋の前まで来て、FINの確認をされました。

 PCR検査はシンガポール入国時ではなく、隔離期間が終わりに近づくころにされます。私の場合は隔離終了日の3日前でした。スタッフの誘導でPCRを受けるクラブルームに移動し、受付で名前とFIN、電話番号、生年月日を伝えて本人確認をしたのちに、PCR検査を受けます。細長い綿棒を両方の鼻の穴に各10秒ほど入れるかたちで検査が終わり、その後客室に戻りました。結果は後日発表されるそうで、陰性の場合でも14日間の隔離期間に変更はありません。

事前準備が隔離生活の明暗を分ける

 日本/シンガポール間でビジネストラックを利用する場合、隔離期間中も事前に提出した活動計画書に基づく範囲で外出が可能ですが、レジデンストラックについては14日間の隔離と隔離前のPCR検査が必要です。もし今後隔離を受ける場合は、ホテルが決まったらすぐ荷物を送ってもらえるよう、事前に荷物をパッキングしておくことをお勧めします。また、自分の場合はシンガポールに到着したのち、ネットスーパーで水や食料、お菓子などを買い込みました。翌日にはホテルに届いたので、とても助かりました。外に出れないので、嗜好品などは用意しておくとよいと思います。

シンガポールの訪日需要について

 最後に、シンガポールからの訪日旅行需要について少し話したいと思います。感覚的な話になりますが、東京オリンピック・パラリンピックが決定したり、COVID-19のワクチンを接種できるようになれば、訪日需要は戻ると思います。日本に行きたい人は多く、会社のスタッフにも「隔離がないなら日本に行きたい」と年末の渡航を計画している人もいます。再来年にはコロナ前の需要にまで戻るのでは、とみています。