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「FSA」トップに聞く:早稲田大学アカデミックソリューション社長の大谷氏

教職員の海外校務出張をすべて手配
今後は他大学にもサービス提供を拡大

-それはプロジェクト単位で利益まで可視化できないと難しいことで、旅行会社であれば非常に珍しい、優れた仕組みと言えるのではないでしょうか

江口氏 大谷 当社では旅行部門以外にもさまざまな業務を担っていることもあり、「プロジェクト単位で利益まで見えるのが当然」と考えている。旅行会社としての常識というよりは、一般企業の常識に基づいた取り組みだと思う。

江口 旅行業界では「損して得取れ」の発想で、「投資しても最終的に儲かればいい」という考えが一般的となっているように思います。しかし当社では、プロジェクト単位で売り上げから諸々の経費、人件費、さらには全社経費を引いた最終利益がいくらかというところまでしっかり算出します。1つひとつの仕事がすべて、黒字か赤字かなのかを把握できるということです。

-今後の成長戦略について教えて下さい

大谷 早稲田大学での豊富な経験をもとに、当社で蓄積してきた知見により、サービスの提供対象を他大学へと広げていきたい。早稲田は国際化展開や業務自動化の分野などでは先進的で、優れたノウハウを持っているし、ブランド力や信頼性もある。早稲田大学で当社が培ったノウハウを知りたいという他大学は少なくないと思うので、他大学にも広げていくことが、当社のミッションでもある「大学への貢献」「社会への貢献」へとつながっていくと考える。

 一方、私立大学同士は、助け合っていくことも必要だ。例えば当社が航空会社と締結している法人契約の手法を他大学にも提供することができれば、双方にメリットがある。

江口 マーケティング室では、急速に進むグローバル化を見据えて「課題設定型」のコンセプトを取り入れた海外フィールドスタディプログラムを企画・開発し、商品化を進めています。この研修プログラムでは、発展途上国を中心にそれぞれの国について教育的要素の強いテーマを課題として設定し、学生は現地でその課題と向き合い、仲間とチームビルディングに取り組み、行動に移して、課題と向き合った成果を現地の方々に残します。これらの一連のプロセスを体験させることで、これから新しい時代を生きていく若者に「自分で考え行動できる人」へと成長していただくことを目標とした、大学関連会社ならではの教育的視点と内容で提供するプログラムです。

 当社ではこの海外フィールドスタディプログラムを単位化が可能な時間数と内容にまで仕上げて商品化し、5月中旬には詳細を発表する予定です。海外派遣先はブルネイ、カンボジア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、ベトナムなどで、航空会社や現地の教育機関、在外公館などの協力も取り付けてプログラムを実現させていきます。

大谷 他大学にも事業を展開する方針は旅行部門に限ったことではなく、すでに実施している分野もあり、人材育成部門を中心に約40大学と取引がある。旅行部門でも同様に展開を拡大していきたい。

-ありがとうございました