Marriott Bonvoy

マリオット、今後も日本出店加速-クルーズ事業にも自信

  • 2017年7月16日

ダリヤナニ氏  このほど東京で開催した「マリオットジャパンセールスミッション」のために来日した、マリオット・インターナショナルアジア太平洋地区(中国圏以外)グローバルセールス担当副社長のラメッシュ・ダリヤナニ氏は本誌のインタビューに応え、今後も日本での出店を加速する考えを示した。日本では現在、10軒以上の出店計画を進めているが、今年に入ってからも前年比で約2割伸びている訪日外国人旅行者の増加などを追い風に「良い話があれば、今後もどんどん計画を進めたい」という。

 同社は今月28日に、森トラストグループが運営する琵琶湖や軽井沢など5軒の「ラフォーレホテルズ&リゾーツ」を「マリオットホテル」にリブランドオープン。また、11月には「モクシー東京錦糸町ホテル」「モクシー大阪本町」を、18年には「フォーポイントバイシェラトン名古屋 中部国際空港」を、20年には「JWマリオットホテル奈良」「ザ・リッツ・カールトン日光」を出店する。

 ダリヤナニ氏はこれらの計画の着実な実行に加えて「近日中に発表する、日本未進出のブランドの出店を成功させることが目標」と語った。同社はこのインタビューの直後に、20年夏までに最上級ブランドの1つである「エディション」を銀座と虎ノ門に出店する計画を発表したところ(関連記事)。昨年のスターウッドホテル&リゾートの買収により、同社は現在36軒のホテルを日本国内で展開しているが、今後3年間で軒数は3割増の約50軒にまで増加する。

 その後の出店エリアについては「ゴールデンルートや地方を問わず、適切なロケーションに適切なブランドのホテルを、適切なパートナーと出店する」と考えを説明。利用者における日本人と外国人の割合については「各ホテルによって差があるし、そもそも『こうあるべき』という数字は掲げていない。総数が増えることをめざしている」と述べた。一方でサービスについては「グループとしてグローバルなスタンダードは維持するが、日本人に喜ばれるものに留意している」と述べ、日本人のニーズを重視する姿勢も見せた。

 ダリヤナニ氏は今後のグローバルでの展開については、マリオット・インターナショナルが現在、30ブランドで約6100軒を展開していることを説明した上で「今後3年間から5年間で、新たに1000軒以上が開業する」と語った。「コートヤード・バイ・マリオット」「フェアフィールド・イン・バイ・マリオット」「フォーポイント・バイ・シェラトン」「アロフト・ホテルズ」など、グループ内では中価格帯以下のカテゴリーが増える予定で、特に「フェアフィールド」については、中国では100軒以上増えるという。

 日本での販売チャンネルについては、現在も8割近くが旅行会社経由であることについて述べた上で「旅行会社との関係構築には大きな価値がある」と強調。一方でシステム開発などによる直販の強化についても引き続き注力する考えを示し、両チャンネルで宿泊者数の拡大に努めたいとした。

 そのほか、昨年に買収したスターウッドホテル&リゾートとの統合に向けた動きについては「現在の30ブランドはいずれも素晴らしい評判を獲得しており、ブランドの統合は計画していない」と説明。「さまざまな利用者のニーズに応えられるよう、我々のCEOはむしろ、新たなブランドを追加することに意欲を示している」と伝えた。

 傘下のザ・リッツ・カールトン・ホテル・カンパニーが19年にもクルーズ事業に参入することについては、「競争は激しいと思うが、『超富裕層』というニッチなセグメントに一段階上のサービスで訴求したい」と意欲を表明。「すでにチャーターの問い合わせなども入ってきている」と自信を見せた。