アウト促進協が初会合、菊間氏「3年後に2000万人」明言

会合の様子  日本旅行業協会(JATA)は2月13日、アウトバウンド促進協議会の初めての全体会議を開催した。同協議会はJATAの海外旅行推進委員会内に新設した、海外旅行の促進と会員企業の利益確保をはかるための会議体。旅行会社、観光局、航空会社、宿泊施設やその他の関連団体など計122社・団体が参加しており、会議の冒頭で登壇した会長の菊間潤吾氏は、「今年のJATAの最重要課題は海外旅行の復活。協議会はまさにそれを実現しようとする画期的な取り組み」と意義を強調した。

菊間氏  同氏は現在の日本の出国率が13%にとどまっていることを説明した上で、JATAの長年の目標である年間出国者数2000万人については「出国率は16%必要だが、プロ同士が意見交換して市場に価値ある旅行を提供することで達成できる」と主張。なお、各役員が挨拶した後には、エイチ・アイ・エス(HIS)代表取締役会長兼社長の澤田秀雄氏が「2000万人達成の目標時期を決めたほうがいい」とコメントしたことを受けて、「3年後に2000万人をめざす」と明言した。

 菊間氏は挨拶において、旅行者のFIT化やオンライン化が進むなか「(旅行会社が需要を開拓してきた)情報の少ない、日本語の通じにくい地域への旅行が減少するのでは」と危機感を示し、課題として取り組む考えを示した。また、訪日外国人旅行者の増加などにより、パッケージツアー用のIT運賃の座席数が減少したことも課題としてあげ、チャーターの活用などについて、協議会で議論していく姿勢を示した。

 そのほか、協議会に参加した観光局やオペレーターなどに向けては「旅行会社の存在意義を高めるためにも、現地の情報を詳しくお持ちの皆様と、旅行会社のプランナーのダイレクトな情報交換の場が必要になる」と語り、協力を求めた。さらに「個人旅行では行きづらい場所をいかにツアーに取り入れてトレンドにしていくか」が重要であるとし、JATAのTeam EUROPE 観光促進協議会の「美しい村30選」のような、デスティネーションを深掘りする取り組みを強化する方針を示した。

 また、「出国者数2000万人を達成した際には、旅行会社のツアーで出国した人のシェアがどれだけを占めるかが重要になる」と強調。「旅行会社のプランナーのスキルをいかにアップさせられるか」が収益のカギを握るとの考えを示し、JATAの会員企業には協議会に積極的に参加するよう呼びかけた。

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