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読者レポート:インド東北地方の「インドにあらず」な魅力

  • 2016年4月19日

紅茶だけじゃないアッサム州と
大戦の語り部が生きるナガランド州へ

ナガランド州コヒマの女子学生。顔立ちも制服も日本と同じでビックリ
 インドは人によって好き嫌いがはっきりと分かれるデスティネーションで、日本人ツーリストの数は業務渡航を別にすれば、この数十年目立った増減はないように思われる。しかし筆者は先ごろ、プライベートでナガランドなど8州からなるインド東北地方を初めて訪れ、日本人と同じモンゴロイドが多く住む「インドにしてインドにあらず」な土地の魅力や、観光資源の数々に驚いた。その素晴らしさを紹介する。

筆者:土橋告(サンヨーインターナショナル代表取締役)

コルカタ空港が立派なのには驚いた  インドの東北地方は、実際に来てみるとインドに来ているような気がしない。コルカタ経由でアッサム州のグワハティに到着して気が付いたが、あの濃厚なヒンドゥーの空気感が予想以上に希薄である。インド好きには、ほとんどインドらしさは感じられないかもしれない。

 インドに行く前には、あるガイドブックの編集者から、売り上げが相当に減少したと聞いていた。せっかく日本人女性のインド旅行が増え始めて、ガイドブックの売れ行きも順調となっていたのに、日本人女性が被害者となる性犯罪の報道があったためである。しかしその話を、今回の旅の相談と手配を依頼したアッサム州観光開発公社のアドバイザーの知人に伝えたところ、彼は「アッサムをはじめとするインド東北地方にはまったく当たらない話だ」と言った。そしてこの先、旅を続けていくうちに彼の主張に納得していくことになる。

アッサムの茶畑  アッサムと聞いて日本人が思い浮かべるのは、紅茶の産地ということだろう。美しい茶畑が延々と続く景色には圧倒させられ、それだけでも来た甲斐があったと思わせる。しかしアッサムの魅力はそれだけにとどまらず、素晴らしい自然を間近に見ることができる世界遺産の自然公園「カジランガ国立公園」もある。欧米のツーリストは「ティーツーリズム」の名のもとにこの地にやってくるが、お目当てはむしろこちらの方だろう。

インドサイも簡単に見ることができる  同国立公園では絶滅危惧種のインドサイとベンガルトラを保護しており、その生息密度は圧倒的で、動物園並みである。そのほかにも希少種の動物や植物が多数保護されており、それらをジープで見学することができる。訪れることは難しくないので、是非日本の方々にも体験してほしいと思う。

デラックスなテントホテルもある  アッサム州にはこのほかにも、広大な国立公園や野生動物保護区が数多くあり、グアハティに滞在して日帰りで動物達に出会える自然公園もある。アジアハイウェイ1号線をコヒマへと進む途中には、あちこちに「動物横断注意」や低速走行指定の表示があり、野生の象にも頻繁に出会えるそうだ。インドのなかでもアッサム州は、野生動物たちの保護に一番熱心で、かつ成功しているという話に納得させられる。当然、宿泊施設はバジェットタイプのバンガローからラグジュアリーなリゾートホテルまで、充実している。