ツアー商品独自の企画力で勝負-ホールセール特集(2)

  • 2016年3月29日

テロで需要減も、ヨーロッパ復活に向け積極展開
「安全・安心」に向けてツアー独自のサービス強化

パッケージツアーの存在意義を高める付加価値を拡充

 海外旅行でもOTAなどを利用するFITが増えているなか、ホールセラーはパッケージ商品しかできないサービスを拡充している。JTBWVでは、海外空港での乗り継ぎの際のトラブルに対応する「緊急ホットダイヤル」や、航空会社の6時間以上の遅延などの際に見舞金を用意する「ルックJTB遅延お見舞金制度」を新たに導入し、「安心安全の旅」をアピールしている。さらに、観光ではなくホテルに焦点を当てた「一度は泊まってみたい世界のホテル」を企画。ワンランク上の宿泊を提案している。

 日本旅行は、ヨーロッパ方面の添乗員が同行する周遊型商品や、同方面以外の機首の周遊型半期商品に海外旅行保険を付け、「ホールセール商品としてのメリットをアピールしていく」(阿部氏)考え。また、添乗員同行のツアーでは、添乗員がWiFiルーターと国際携帯電話を持参する。

 ジャルパックも、アジアと台湾方面のツアーで観光中に添乗員がWiFiルーターを持ち歩き、参加者に無料でWiFiサービスを提供するほか、全方面で添乗員がスマートフォンを携帯する。また、ANAセールスも無料WiFiサービスを用意する。こうした取り組みは、不測の事態の際、安否確認を速やかにおこなえる利点もあるという。

 東武トップツアーでも安心安全に向けた取り組みを強化していく方針。国内でのバス事故を受け、現地バスに対する安全基準を強化するほか、今後は海外旅行保険付き商品も検討していく考えだ。