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ランデヴー・フランス、日本市場の回復へ、パリと地方をアピール

  • 2015年5月19日

パリの「ノーマルな現状」アピール 新たな魅力を紹介
イベントフックに地方誘客も

「ランデヴー・アン・フランス(RVEF)」の様子  第10回を迎えたフランス最大のツーリズム・トレードショー「ランデヴー・アン・フランス(RDVEF)」が3月31日と4月1日にパリで開催された。会場は、サロン・デュ・ショコラなど国際的な見本市が開かれることで知られるポルト・ド・ヴェルサイユ見本市会場。今年から10年がかりの拡張計画が始まっており、2025年には21万6000平方メートルに7つのパビリオンを抱える見本市会場になる予定で、パリのMICE市場にアピールするにはうってつけの場所だ。そこに今年は出展サプライヤー750 団体に対し、67ヶ国から900人のバイヤーが参加、ビジネスアポイント数は2万3180件以上だった。日本からは前年を上回る39社が参加した。


パリの安全性を強調
日本市場の回復はかる

マティアス・フェクル外務・国際開発大臣付貿易・観光開発・在外フランス人担当大臣  2013年の海外からの観光客数は8470万人に上り、依然として世界一を誇るフランス。今回のRDVEFは、今年の1月に新聞社襲撃事件の起こったパリが会場となったが、市中は平常そのもので、参加バイヤー数は全体では10%増となった。開会のテープカットには、フランス外務・国際開発大臣付貿易・観光開発・在外フランス人担当大臣のマティアス・フェクル氏が来場。10回目となるRDVEFのパリでの開催についての祝辞と、観光振興への期待を述べた。

 また、パリ観光会議局局長のニコラ・ルフェーブル氏は「パリのノーマルな現状も見ていただけるたと思う。外国人観光客に対する一般的な安全性は、警察との連携強化などで数年前よりよくなっている」と安全性の高さを強調した。

 同氏によると、2013年のパリとイル・ド・フランス地方の外国人観光客の宿泊数は全体で6740万泊。このうち日本人は223万9000泊だ。同氏は「アジアでは日本と中国がほぼ同数で、一番大きなマーケット」であると説明。「ここ数年、対円でずっと強かったユーロが昨年の夏以降は落ち着いてきている。日本にとってはポジティブな要素になるのでは」と、日本人の増加に期待を示した。

フランス観光開発機構(ATF)在日代表 アジア・太平洋地区統括責任者フレデリック・メイエール氏  フランス観光開発機構(ATF)在日代表アジア・太平洋地区統括責任者のフレデリック・メイエール氏も、本誌のインタビューに対し「今回のランデヴー・アン・フランスのパリでの開催を通じて、まず、フランスの入口となるパリが通常どおりであることを感じていただけたと思う」と語った。

 同氏は、パリでの襲撃事件のみならず、チュニジアでのテロ事件などで「(フランスが)観光への影響を受けるのは確か」としながらも、2015年の日本人観光客の目標を、2014年と同レベルの約65万人に維持したい考えを示した。そのために、昨年は4月からスタートした広告キャンペーンを、今年は1ヶ月早い3月24日から開始。「春夏秋冬、色めくフランス」と題した広告を、首都圏の地下鉄銀座線、丸ノ内線で展開したという。

 日本からの参加者からは、パリでの襲撃事件が1月に起こったことから、主に卒業旅行などでキャンセルが多数発生したが、徐々に落ち着いているという声があがった。さらに、今後の夏の旅行に向けては復調を見込むポジティブな声が聞かれた。