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新春トップインタビュー:OTOA会長 大畑貴彦氏

厳しさ続くも、JATAや行政と協力で課題解決へ
インバウンドも継続推進、まずは認知向上めざす

-2015年についてはどのような見通しをお持ちでしょうか

大畑 引き続き厳しい状況が続くと思う。増税は先延ばしになったことは良かったが、最終的に上がる。景気も、株価だけあがって中小企業や一般の人々の懐がどうなったか、ボーナスが増えたかというとそうではないのが現実。それを考えると非常に厳しい。

 一方、円安に関しては慣れではないか。80円が120円まで来てしまったわけだが、それが続けば慣れる。あまり変動しなければ、さほど影響はないと見ている。

 もう一つは、1バレル60米ドルという壁、燃油サーチャージがなくなる壁を超えるかどうか。燃油サーチャージがなくなれば、環境も変わってくる。それも旅行業にとっては大きな要因になってくる気はする。


-経営環境としてはいかがですか

大畑 ガイド問題が非常に顕著に出てきている。つまり、現地の優秀な日本語ガイドがインバウンドに添乗員としてついて来ることで、日本からのお客様を現地で案内するガイドが確保ができないか、質が下がる。

 これを考えていくと、数年先はどうなっていくだろうと。これは日本を含めた各国の、観光当局が連携して解決すべき問題だ。


-インバウンドについてのお取り組みの現状をお教えください

大畑 昨年、OTOAの事業で最も大きく変わったのは、インバウンドの活動を本格化したことだ。2013年度はそれほど目立った動きがなかったのに対し、2014年度は委員会を発足させて、ミーティングも複数回実施した。

 現在、OTOA会員150社のうちインバウンドに取り組んでいるのは40社ほどだが、関心は強い。アウトバウンドが大変な中で、本当にこのままでいいのだろうかと経営者は考えている。ただ、実際にどうやっていいかがわからない。仕入れや契約などの点で日本は特殊だ。

 バスの問題、ガイドの問題もあり、OTOAとしてはそうしたポイントについての説明会なども開催していきたい。我々の課題は認知度だ。インバウンドの世界では、「ツアーオペレーター協会とは何ですか」というところから始まる。認知度が向上すれば契約などもスムーズに進むようになるだろう。