itt TOKYO2024

豪州、食とワインで誘客強化、GK便で地方発に期待も-ATE14(2)

  • 2014年6月30日

▽ビクトリア州、メルボルン線復便で日本事務所も復活、「地道」な活動奏功

ビクトリア州政府観光局・高森健司氏

 ビクトリア州では昨年7月から日本市場にレップが不在の状態だが、JQの成田/メルボルン線就航に合わせ、契約先を選定する最終段階にある。メルボルン線の成功に向けては、メディアを招待するFAMツアー、広告展開、旅行会社とのジョイントプロモーションなどを計画。7月以降に具体的に展開していくという。

 2013年の日本人訪問者数は5.8%増の約4万人で、特にレジャーでの訪問が好調。オーストラリア全体では前年を割り込む中での伸びについてビクトリア州政府観光局の高森健司氏は、特別な事情があったわけではなく「今までの地道なプロモーション、様々な航空会社との活動が功を奏した」と分析する。

 今後も、JQでなくカンタス航空(QF)、CX、SQなどとのプロモーションを継続。全豪オープンやF1といったスポーツイベントなど従来からのテーマを堅持する方針だ。

 なお、2015年のATEはメルボルンでの開催が決まっている。


▽ノーザンテリトリー、QF路線再編で苦戦も改善に期待大

ノーザンテリトリー政府観光局・中村滋氏

 ノーザンテリトリー政府観光局では、直近の日本人訪問者数が1割以上減少するなど苦戦。同局ディレクターの中村滋氏によると、影響が大きかったのはJQが4月から6月におこなったフライトキャンセルと、6月からQFがシドニー/エアーズロック線を運休し代わりにJQが週4便で運航するようになったこと。

 QFのデイリー運航からJQの週4便への変化について中村氏は、「1泊のみのお客様にとってはチャンスが7分の4になったのではなく、翌日も便のある日しか飛べず、7分の1になってしまった」と嘆く。特に日本航空(JL)利用の旅行者に影響が出たという。また、豪ドルの高騰も、もともと地上費が高い傾向にあるウルルでは値上がり率が高くなる結果となった。

 ただし、中村氏は「行きたいという気持ち、需要は減っていない」との認識で、計画されているJQのシドニー/エアーズロック線デイリー化が実現すれば改善すると期待。また、メルボルン/エアーズロック線もJQが飛んでいることから「今までにないコンビネーションも可能になる」など、「今年は、昨年を下回る要素はあまりないと思っている」と語った。

 なお、昨年末から今年初めにかけては「未知が、満ちてる。」をキャッチコピーに大型キャンペーンを実施。これについては「インプレッションなど露出の効果はあった」とし、その上で「高単価なデスティネーションであり、コンバージョンにつながるのはもう少し先」との考えを示した。