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バリアフリー旅行をビジネスに-旅行前の対応が鍵

  • 2013年10月8日

 社会の高齢化が進む中、身体の不自由な旅行者への対応は、旅行会社が喫緊に取り組むべき課題の1つとなっている。こうした中、日本旅行業協会(JATA)は9月13日、JATA旅博2013の国際観光フォーラムで「明日からできるユニバーサルツーリズム」と題したセミナーを開催。旅行会社の多くが苦手意識を持つバリアフリー旅行への対応について、チェックシートを使った方法を紹介するとともに、対応時の留意点、旅行会社の責任について解説した。

講師:JATAバリアフリー旅行部会長 田中穂積氏
(ANAセールスCS推進室ツアーアシスト課課長)



バリアフリー旅行はビジネスとして取り組むべきマーケット

 JATAと観光庁が昨年、JATAの会員会社を対象に行ったアンケート結果では、多くの旅行会社がバリアフリー旅行に苦手意識を抱いている現状が浮かび上がった。高齢者や障がい者を対象とした旅行に対する各社の取り組み姿勢をきいた質問では、現時点では「消極的」「かなり消極的」と回答した事業者は29%で、「積極的」「かなり積極的」の16%に比べ多くなっている。

 しかし、少子高齢化の進む日本の旅行マーケットを見れば、今後高齢者の割合が増すのは必然。高齢化に伴って障がいを持つ人の数も増加、医療機器の発達により、旅行の可能性も増している。アンケート結果でも将来の以降においては「消極的」「かなり消極的」の回答は14%、「積極的」「かなり積極的」の回答は34%と、意欲の高まりが見られた。

 セミナーで講師を務めたJATAバリアフリー旅行部会長の田中穂積氏は冒頭、旅行会社の現状を紹介し、早急にバリアフリー旅行に取り組む必要性を説いた。同氏は健常者より障がいを持つ人の旅行のほうが、平均単価が高いことなどを説明。ビジネス上も取り組んで行くべきマーケットであることをアピールした。