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カナダ、増便やオーロラで市場に勢い-ショーケース・カナダ取材より

  • 2012年11月27日

 カナダへの日本人渡航者数が順調に増加している。カナダ観光局(CTC)によると、2011年は震災の影響で10%減となったが、12年はエア・カナダ(AC)の増便や日米路線の新設も奏功し、通年では2010年の約23万5000人を上回る見込みだ。また、オーロラ鑑賞を目的とした旅行者の増加や、CTCが1月にアピールを開始した体験プログラム「シグネチャー・エクスペリエンス・コレクション(SEC)」の成果も出てきたという。CTCが10月に開催した旅行業界向け商談会「ショーケース・カナダ2012」で、カナダの現状と今後の展望を探った。


12年は14%増見込み、航空座席の増加やオーロラが奏功

イエローナイフの夏のオーロラ  CTCによると、2012年1月から7月までの日本人渡航者数は前年比11.9%増の11万6611人と増加。ショーケースに参加した観光局やサプライヤーなどのセラーからは、2010年並みまで回復したとの声が多く聞かれた。CTC日本地区代表のモリーン・ライリー氏によると、現在の増加傾向が続けば12年は前年比14%増となり、約23万5000人となった10年を上回る予想だ。13年も12年比10%増をめざす。

 増加の一因となるのが、航空座席供給量の増加だ。ACは成田/カルガリー線を増便、通年化しており、これにより12年の供給座席数が約10%増えることになる。また、ショーケースに参加したセラーによると、日本航空(JL)の成田/ボストン線や、全日空(NH)の成田/シアトル線開設などで、アメリカ経由の商品数が増加したという。

 さらに、ここ数年はオーロラの当たり年であることから、オーロラ鑑賞目的でカナダを訪問する旅行者が増加している。旅行会社によると、冬だけでなく、8月末から9月までの「夏のオーロラ」が好調で、ユーコン準州観光局アジア・パシフィックマーケットマネージャーのマーガレット・グッドウィン氏も「ホワイトホースを中心に日本人訪問者が前年の5割増で推移している」と説明。ノースウェスト・テリトリーズ(NWT)観光局マーケティング・ディレクターのロン・オストロム氏も、「例年、オーロラ需要でイエローナイフへの国内線航空座席が追いつかない状況になるが、特に今年はその傾向が強い」と話す。

 オーロラ需要の好調さを受け、各観光局が日本市場向けの対応を強化する動きもある。例えばユーコン準州観光局では今年8月に日本語ウェブサイトを刷新した。