カナダ、増便やオーロラで市場に勢い-ショーケース・カナダ取材より

  • 2012年11月27日

体験型プログラム「SEC」効果を評価
旅行会社は対応さまざま

CTC日本地区代表のモリーン・ライリー氏  CTCが今年1月から開始した体験プログラムのSECについて、CTC日本代表のライリー氏によると、日本向けに紹介した48のSECのうち8割以上がメディアに取り上げられ、40以上の体験が旅行商品に組み込まれた。旅行会社がSECを活用して体験を切り口にカナダを紹介しようという動きも生まれているとして、「短期間で、カナダを今までと少し違う目で見てもらえるきっかけになったのでは」と「一定の成果」として評価する。

  セラー側も効果を感じている。例えば、日本向けSECとして紹介された、チャーチルでシロクマと触れあう体験ツアーを扱う「フロンティアズ・ノース・アドベンチャーズ」は、日本人の取扱数が増加したといい、「大きな利益となった」という。また、SECに選ばれていないセラーも、SECによりカナダでさまざまな体験が楽しめるという認知が向上し、問い合わせが増えたとの声も聞かれた。

全世界向けで「SEC」と認定された「ノース・ナハニ・ナチュラリスト・ロッジ」は水上飛行機で訪問。ここも日本からの問い合わせが増加し、初めて夏のオーロラ目的で12名の団体が訪問した  販売する旅行会社の取り組みも始まっている。例えばカナダの体験旅行を強みとするismでは以前から扱っていた素材がSECとなっているものも多いが、SECの取り組みが始まってからはismのサイト内にSECの専門サイトを設立するなど、積極的な活用を始めた。「SECと打ち出すことで、さらなる取扱い増加につながる」(代表取締役社長の野口和哉氏)と期待を示し、2年から3年かけて継続して取り組んでいく考えだ。このほか、カナダ専門旅行会社で体験型ツアーを設定しているカナディアンネットワークも「SECでカナダの体験の露出が増えたことで、問い合わせが増えた」と効果を感じているようだ。

 積極的な旅行会社がある一方、慎重なSECに姿勢を見せる旅行会社もある。SECの設定前からツアーに組み込んでいるものはそのまま販売していても、「コスト面の問題や収益性からすぐに新しいSECを取り入れるのは難しい」という大手旅行会社や、「CTCが取り組みをはじめてまだ半年。今後認知が上がり、需要が増えれば対応を考える」という中堅旅行会社もあった。直行便のない関西の旅行会社からは「日数に余裕が無いため体験を組み込む時間がない」との意見もあった。

 また、SECを活用する際には、内容に応じて注意が必要だ。前述のism野口氏は、FITや小規模に適したSECについては「エッジの効いた体験を打ち出すことができる」とし、差別化を生むチャンスになると提言する一方、簡単にパッケージツアーに組み込めるものから専門性が必要なものまで幅が広いことを説明。例えばトロントのCNタワーでのエッジウォークは大人数の参加が可能だが、シロクマ見学ツアーなど人数が限られる体験もある。さらに、こうした少人数のSECは現地の気候や施設の受入体制、服装上の注意といった詳細な情報が必要で、旅行者にしっかり対応するための専門知識の必要性を指摘する。

 CTCでは今後もSECの設定数を増やす計画だ。今後は第2ステップとしてFITや小規模グループ向けに取り組む。大手旅行会社に加え、CTCがキーアカウントと捉える旅行会社に限るが、FITや小規模グループを取り扱う中小旅行会社へのマーケティングサポートなどの支援もする計画で、すでに来年上期に合わせて準備を進めているという。