第7回APEC観光大臣会合、15年までの観光戦略プラン採択
観光庁によると、7月24日、ロシアのハバロフスクで第7回APEC観光大臣会合が開催された。会合では「アジア太平洋地域の活発な経済に向けた観光の円滑化」をテーマに、APECメンバーの19ヶ国・地域や国際機関などで議論を実施。APECメンバー国・地域の観光分野における今後の行動計画を定めた「APEC観光戦略プラン2012-2015」を採択した。
観光戦略プランでは、4つの大きな枠組みを設定。1つ目にAPEC地域の成長と繁栄のけん引役としての観光に対する理解と認識の向上の促進を掲げた。続いて2つ目として、社会的・文化的に責任ある観光を促し、旅行観光セクターの包括的な成長の確保を盛り込み、3つ目は、持続可能な観光に有効な環境を提供し、観光業とデスティネーションの持続可能性を促進し、強化することを定めた。最後に、政策整合と構造改革を通じて、効率性と地域経済統合の推進をはかるとした。
また、旅行者の安全確保強化のための指針となる「旅行者の安全確保に関するAPECガイドライン」も策定。第7回APEC観光大臣会合の総括として、観光戦略プランや安全確保のガイドライン、経済発展における観光の重要性、APEC域内の旅行円滑化などを盛り込んだ「ハバロフスク宣言」を採択した。
日本からは、東日本大震災後の支援に対する感謝を述べるととともに、震災後の初期対応や観光復興の経験から得た教訓を発表し、共有した。教訓として、たとえば震災初期の多言語での情報公開に苦労したことから、あらかじめスキームを準備する必要性などを説明したという。