ジャルパック、12年度は「ブランド確立」-独自性強調、パンフ刷新も

  • 2012年1月22日

 ジャルパックは12年度を「JALパックブランド確立の年」と位置づけ、高品質な「いい旅、新しい旅」の定着をはかる。1月18日から上期商品の販売を順次開始した。1月20日に開催した記者会見で、同社代表取締役社長の大西誠氏は「12年は品質、商品企画、サービスにおいて、JALパックブランドを確立し、1年間かけてさらに磨いていく年」とし、「伝統だけでなく、新しいものとして磨いていきたい」と意気込みを示した。12年度は海外旅行取扱人数で前年見込み比7%増の28万1000人、国内旅行で6%増の200万8000人をめざす。

 大西氏によると、11年は震災や日本航空(JL)の路線再編による供給量の減少もあり厳しいスタートとなったが、円高を追い風に、ブランド統一による国内商品の認知度向上、社内コストの削減などもあり「計画していた目標利益を大きく上回ることが出来る見込み」だという。12年はパンフレットの刷新や、「JALパックならでは」の独自性の高いコースを強化。海外旅行ではハネムーンコースを復活させた。

 パンフレットでは、旅情感を誘う明るい写真を選び、見開きページに大きく紹介するなど工夫をした。また、顧客へのアンケートや販売店へのヒアリングなどにより、字が小さく見づらいとの意見から、文字の最小サイズを大きくし、目に優しい色使いを心がけるなど、見やすさの向上をはかった。さらに、「JALパックいち押し!!」「JALパックならでは!」などのマークを付加し、商品の独自性をパンフレット内で強調した。

 海外商品では、アメリカ、ヨーロッパ、オセアニアと一部例外を除くアジアで、国内から羽田、成田までのJL国内線が追加代金なしで利用できるようにした。また、60日前までの予約で「おとなりシート、お近くシート」を用意する「早決60」を設定。さらに、ヨーロッパやオセアニアで、従来「スイートバケーション」で展開していたハネムーナー向け商品を「ハネムーン」コースとして再設定した。商品単価については、燃油サーチャージの高騰や、円高により現地ホテルなどが値上げされた影響で、昨年よりも「多少の値上げという状態になった」(大西氏)という。

 方面別では、引き続きハワイとヨーロッパに注力していく。ハワイでは、ネイバーアイランド滞在商品「JAL HAWAIIAN ISLANDS」を期首商品として復活させ、積極的に展開していく。マウイ島のハナに宿泊するコースを新設するなど、ラインナップを強化した。また、シェラトンホテルズの利用でホテル内ビーチバーでの飲み放題などの特典を用意。さらに、宿泊プランではオーシャンフロント高層階ルーム確約プランも設定した。加えて、「レインボー・トロリー」では新停留所も設定し、夏からは2階建てオープントップバスも導入する。

 ヨーロッパでは、イタリアやロマンチック街道など7コースで2名催行、並び席確約のハネムーンプランを再設定した。また、昨年と継続してパリ・オペラ地区商品を継続的に展開し、28軒のホテルを用意。個人旅行対象コースにはセーヌ川クルーズチケットも付与する。その他、モン・サン・ミッシェルの砂浜散歩ツアーや、イタリアの青の洞窟で午前中見学出来なかった場合、午後もう一度挑戦する「青の洞窟Wアタック」コースも設定。2名催行コースは前年比8%以上設定を増やした。

 また、アメリカではJLの4月22日の成田/ボストン線就航に伴い、記念特別企画も用意した。ボストン到着日の観光付きで、オリジナル観光バス「アカデミック・ボストン号」にも追加料金無しで乗車できる。また、4月3日からサンフランシスコで無料観光バスを3ルートで運行する「バスで巡る!感動のサンフランシスコ」キャンペーンも実施する。その他、グアムでは子連れ海外旅行ウェブサイト「旅キッズ」と提携し、父親と子どもふれあいに力を入れた「パパにおまかせ!旅★キッズ」を設定した。

 また、大西氏は「将来的にはアジアは重要な市場」と述べ、中国への送客の増加や、新しい市場開拓として今後インド方面にも取り組んでいきたいとした。中国では上海の外灘エリアにスポットを当てた商品を設定。また、インドシナ半島では2012年のラオス観光年にちなみラオスの商品を新設定した。そのほか、タイのリゾート「カオラック」滞在商品を新設したほか、韓国でのメディカルエステ体験プラン、台湾での日本人建築家による近代建築を歩く旅など、新たなテーマの商品も用意した。