問　「オランダのベネチア」と称される村ヒートホールンで禁止されているものは次のうちどれか

A　サイクリング
B　車の乗り入れ
C　団体旅行者
D　太鼓などの鳴りもの
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
――正解は下記へ
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
ココに注目！


▽おとぎの世界から抜け出たような水郷の村ヒートホールン

　国土の4分の1が海面下といわれるオランダでは、国内の至るところで水辺の美しい風景を楽しむことができる。オランダ名物ともいえる運河は、全長約3000キロメートル、面積は九州ほど。運河が主要交通手段の役割を果たすアムステルダムでは、網の目のように張り巡らされた運河でグラスボートでのクルーズも楽しめる。水面から見上げる街並みはひと味違ったものになるだろう。

　通常、旅程に組み込まれる機会の多くない北部にも、水辺の観光スポットがある魅力的な町や村は多い。たとえば、アムステルダムから車で1時間30分程のヒートホールン。「オランダのベネチア」と称されるこの村は、日本の柳川市と姉妹都市を結んでいることからもわかる通り、水郷として知られる。かつて泥炭を採掘した跡が水路として残り、複雑な地形を形成。村のほぼ全域で車の進入が禁止され、村の交通手段は船と自転車に限られているため、全長7キロメートルの運河は、アムステルダム以上に人々の大切な交通手段となっている。

　一帯の自然や水鳥とともに、運河沿いに並ぶ古い茅葺き屋根の家々も保全されており、まるでおとぎの国から抜け出してきたような、のどかな雰囲気だ。村を散策したり、ボートやカヌーなど水辺のスポーツを楽しんだりして、ゆったりとした時の流れを味わいたい。また、毎年8月末には、「ゴンドラの夕べ」と呼ばれる村祭りが開催され、美しくライトアップされたゴンドラが運河を巡る。


▽17世紀の町並みを残す漁師町ヒンデローペン

　ヒートホールンから西に車で1時間ほどの場所には、17世紀の町並みを残す小さな漁師町、ヒンデローペンがある。運河のほか、はね橋､教会などが残り、こちらも童話の世界のような趣だ。木製の家具や小物に鮮やかに彩色した伝統工芸品「ヒンデローペン塗り」は、この町の工芸品。17から18世紀、北欧諸国との木材の取引で栄えたこの町で独自に発達したもので、色鮮やかな手描きの手作り家具が工房で見学できる。

　ヒンデローペンから北をめざせば、独自の文化や言語を守り続けるフリースランド州の州都、レーワルデンがある。中世の建物と運河に彩られた美しい町で、パリで活躍した伝説の女スパイ、マタ・ハリの生家も残されている。


▽アイセル湖と海を分かつ大堤防から壮観を楽しむ

　レーワルデンとアムステルダムを結ぶルートの途上では、有名な締め切り大堤防からの壮観も楽しめる。水害を防ぐため、1932年に旧ザイデル海を締め切る大工事によって築かれた全長約30キロメートルの堤防で、その上を高速道路が走る。締め切られて淡水湖となったアイセル湖（旧ザイデル海）と海を分かつ大堤防からの眺めは壮観だ。

　アイセル湖畔に広がるエンクハウゼンも、立ち寄りたいエリア。ヨットハーバーを有し、古く美しい港町の風情を残すこの町の見どころは、ザイデル海博物館だ。オランダの漁村の暮らしや古い船の模型を展示した博物館で、屋外展示場にはオランダの伝統家屋や風車、店、教会、市場などの建物が移築されており、テーマパークのようだ。近年は、最新デザイナーのアート作品も展示している。

正解：B