ユナイテッド航空、羽田線就航に自信−太平洋地区副社長、成田空洞化は否定

  • 2010年3月23日
 ユナイテッド航空(UA)太平洋地区副社長のジェームズ・ミュラー氏は3月19日に開催したプレスブリーフィングで、現在米国運輸省(DOT)に申請中の羽田/サンフランシスコ線の認可取得に自信を示した。羽田空港の米国線に関しては、米国側が持つ1日4便の枠に対して、米系航空会社5社が合計11路線を申請。UAはサンフランシスコ線の1路線のみの申請だが、アライアンスのバランスを考慮すると、全日空(NH)をパートナーに持つUAとコンチネンタル航空(CO)は2社で1便にとどまるのではないかとの見方もある。

 これに対してミュラー氏は、「DOTの基準は非常にシンプルで、発着枠はいずれも米国の消費者にとって最もメリットの大きい路線に与えられるべきとしている」と指摘。その上で、「その基準に照らして考えれば、UAの申請はサンフランシスコ以遠も含めて、米国の消費者にとって最も新しい路線の開拓につながる」とし、「認可は必ず降りると信じている」と語った。また、羽田路線が開設できた後の販売戦略については、スケジュールが確定していないことから明言を避けたものの、「NHの国内線やアジア路線、さらにアジア系のスターアライアンスパートナーの路線との乗り継ぎは充分に考えられる」とした。

 一方、利便性の高い羽田に就航することで成田路線の重要性が低下するのでは、との指摘に対しては、「羽田路線には強い関心を持つが、見通しうる将来のなかでは、空港の規模の問題からいって成田が国際線の中心であり続ける」とコメント。規模の問題とは「羽田の新国際線ターミナルのゲート数は10ヶ所程度のはずだが、成田はスターアライアンスだけでも20ヶ所以上。航空会社が成田の路線を羽田に持っていきたいと考えても不可能」であることで、UAでは、NHとともに両空港から両社の路線網を活用した営業展開を継続する考えという。


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