「旅行業もリスクを友に」−インフル第2波も消費者の心理捉え冷静な対応を

山崎氏は、リスクを「友」とする方法として、リスク情報の提供や有事に備えたバックアップ体制の確立、リスクに見合った追加安全策などを付加価値サービスとして提供することを例示。消費者はリスクと価格を比較した場合、安全性や信頼性を重視する傾向があることから、こうしたサービスが売上や利益の増加につながるとの考えだ。越智氏の「シートベルト付き海外旅行」も同様の発想で、専門家の裏づけを取って消費者に安全性をアピールするねらいだ。
また越智氏は、危機的状況の場合、日本の旅行市場の回復が他国より遅い傾向にあることを指摘。リカバリーの時間短縮に向けては、発生直後と再開期の対処に加え、回復期に消費者の心理面に働きかけるポジティブなキャンペーンも必要とした。また、秋以降に予想される新型インフルエンザ第2波の到来に対しては、毒性が弱いのであれば10月から12月も通常通りにオペレーションを続けることが重要との見解を示した。