OTOA、新会長にエムジェイツアーズ安達氏−募集広告にオペレーター明記を

総会後の懇親会で会長の安達氏は抱負として、「安心・安全を重視してきたが、これをさらにどういうことかを深く考えていくこと」と、「製造物の責任という観点から、企画、造成にしっかりと責任を持つこと」をあげ、消費者の信頼を十分に勝ち得ていく方向性を協会としてめざすことを語った。こうした活動は、協会と会員各社が目標にむかってやり遂げる「協働」していくことをアピールした。
安心・安全は従来から、OTOA事業として大きな柱としており、安全管理や都市別安全情報の発信などを手がけてきたところ。こうした根幹となる事業は継続しつつ、新たに「製造物の責任」という考えを打ち出している。現在、ツアーオペレーターが旅行会社の委託を受けて手配を代行しており、現地の旅行サービスの手配やホテルの確保、車両の手配、ガイドをはじめ、事故や事件、病気などの対応もしている。こうしたことから、ツアーオペレーターが旅行サービスの内容を左右する役割を担っているとの観点から、募集広告時にツアーオペレーターの名称の記載を旅行会社に働きかけていく。当初は自主的なものとするが、将来的には加工食品や農水産物の産地表示と同様に、記載や表示の義務付けをめざす。
また、安達氏は昨年に実施したOTOA会員へのアンケート調査で浮かび上がった事業者間取引の問題についても触れ、「仕入れの支払い、デポジットなど、(旅行会社の)トップの経営理念とOTOAの努力を絡ませ、海外で信頼を得る」市場環境の変化に向けた努力についても語った。
懇親会の来賓挨拶に立った日本旅行業協会(JATA)副会長の古木康太郎氏はこれに応じ、「旅行者数の減少は若者だけが理由ではなく、私たち(商品を販売する旅行会社)の反省すべき点と構造的な問題がある」とし、「日本の商習慣に世界で疑問符がついている。オペレーターと真剣に話をして、考えていく」と語った。特に、海外から言われる「グローバル・スタンダード」について具体的に何かを追求し、「OTOAとJATAは兄弟として意見交換をしていかなければ」と課題の解決に前向きな姿勢を示した。
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