NOE、新基幹システム「トラボ」を稼動−BTMやレジャーを統合し業務効率化

NOE代表取締役社長の林田建夫氏は自社開発のメリットとして、「使用しながら、業界の急激な環境の変化などに即応し、機能を強化、改善することができる」という。また、「今後は生き残りをかけて業界内で提携、合併が急激に進み、力が強い会社、優位性のある会社同士が生き残る」との考えから「新システムが顧客満足度の向上につながり、結果として会社の優位性を高める」と語る。特に、新システムでは、顧客のデータベースの一元化が可能で、ビジネストラベル、レジャー、直販と主力3部門のシナジー効果を期待している。
IT戦略室室長の松葉保之氏によると、業務渡航向け機能として、「顧客に全てオンラインで入力させることが必ずしも望まれているわけではない」ことから、「手配の連絡は従来どおり好きなものを利用し、手配内容の確認にウェブを使用してもらえるように設計した」という。また、ウェブの活用にも前向きで、リテーラーにはIDやパスワードを配布しネットで対応するとともに、消費者に対しても同一のデータベースを活用でき、将来的にはAPIからXMLリンクへとウェブに注力した技術を取り入れる発展性も視野に入れている。新システムは各CRS、GDSだけでなく、ワールドトラベルシステム(WTS)の海外航空券予約システム「スカイレップ」との連携もでき、拡張性が高いという。このため、「新システムはあくまで仮のもので、強力なシステムに完成、進化させるためには時間が必要」としつつ、将来的は「『強み』を生かし、統合やM&Aを積極的に推し進め、加速していきたい」(林田社長)とし、今回の稼動は「ゴールではなくスタート」という考えを示した。
なお、林田氏は2007年度の決算見通しについて、「(NOEは)業務渡航とホールセール、直販と3本の柱があるのも強み。レジャーは厳しい状況であったが、旅客が伸びて目標はクリアできる見込み」といい、9期連続黒字を達成する見込みを示した。