OTOA、VWCの貢献と共にグローバルスタンダードへの理解を

  • 2008年1月9日
 日本海外ツアーオペレーター協会(OTOA)は8日、新年会を開催、会長の井上照夫氏は「昨年を表す『偽』でなく、安心・安全、かつ高品質の商品を提供するようオペレーターは頑張る」と語り、明るい話題が少ない中で、観光庁の設立、日本旅行業協会(JATA)が2000万人達成に向けたビジット・ワールド・キャンペーン(VWC)に貢献し、海外旅行の機運を盛り上げていく考えを示した。ただし、世界的にはBRICs、VISTA(ベトナム、インドネシア、南アフリカ共和国、トルコ、アルゼンチン)の海外旅行者数が伸び、ホテルの客室、ガイドの確保などが厳しいとし、「現地を手配をするオペレーターには切実(な課題)で、仕入れ、支払いのグローバルスタンダードへの理解を進めて欲しい」とも呼びかけた。

 JATA会長の新町光示氏はこれに応じ、「旅行業もホールセール、リテール、添乗員など、一つの分野が伸びるだけのいびつな産業構造ではダメ。今年は特に、オペレーターの方々に稼いでいただき、業界全体が盛り上がるよう」と挨拶。さらに2000万人を目指すVWCに関連し、主観的な「決断」と客観的な「判断」は意味が異なると前置きし、「JATAは2000万人に向け『決断』をした。具体的な施策を展開していくが、達成できる確信があるわけではない。今年は、冷静な判断に基づき、量的な拡大が本当に可能か見極める『判断』が必要」と語り、量と質の拡大を同時に図る業界の課題を指摘した。

 また、国土交通省大臣官房総合観光政策審議官の本保芳明氏が登壇。本保氏は、「郵政時代にお客様の顔が見えないと仕事にならず、満足度を高められないことを実感した。オペレーターはお客様に満足をしていただくサービスの提供において、旅行の成否を決める役割がある。(旅行会社はオペレーターを)単なるアウトソーシングでなく、OTOA各社がいかに重要であるかを認識する必要があり、その意味で旅行業界の責任は重い」と語り、旅行会社とオペレーターが共に数、金額だけでなくCSを高めるために同じ方向で努力すべきとの考えを示した。