NWスティーンランドCEO、日本でのプレゼンスを強調−787型機導入で新路線も

  • 2007年11月14日
 ノースウエスト航空(NW)社長兼最高経営責任者のダグラス・スティーンランド氏が来日、同社の現況などを語った。NWは成田では日本航空に次ぐ発着便数を誇る航空会社。これについて、「われわれは60年間、日本市場で運航をしてきた成果」とし、「準日本の航空会社(Almost Japanese Airline)」と位置づけ、日本市場での展開に引き続き注力する意向を示した。特に成田については米系他社にはない機能として、成田をハブ空港として 活用していることを強みとし、成田発ホノルル、グアム、サイパン線に加え、北京、バンコク、シンガポール、ソウルなどアジア10都市へのネットワークを最大限に活用していく考え。また、スカイチームとしても、中国南方航空(CZ)が明日にも加盟するが、スカイチームでも「日本の航空会社」として主体的な役割を果たしつつ、グローバルネットワークを活用した展開をめざしていく。

 ボーイング787型機の導入については「航空機を活用した旅行に変革をもたらす」とし、日本路線での拡充を目指す方針を示唆。具体的な路線としては、運休している成田/ニューヨーク線の復便のほか、NWの3大ハブ空港の1つである成田/メンフィス線の新規就航などを視野に入れているようだ。また、日本発では名古屋、関西の両空港もあるが、関空についてはデトロイト線を運航しており、「787型機で機会があれば考えたい」と述べ、具体的な路線を検討する段階ではないものの、新型機の導入後の検討に余地を残した。

 なお、このところの為替相場の動向を受け、原油高の一方、「円高ドル安で日本人のアメリカへ訪問者の増加に期待したい」と語り、日本市場での航空会社の就航状況も踏まえながら、今後の需要喚起に期待を示している。


▽経営基盤の強化が進む

 NWは今年6月1日、ニューヨーク証券取引所に再上場し、再建期間を終えた。スティーンランド氏はこの再建期間にコスト削減と競争力の高いコスト構造への変革、保有機材の適正化と新型機の導入による燃油費の改善、サービス向上に加え、経営上でもバランスシート上の負債を破産法11条適用前に120億ドルから60億ドルに圧縮し、組織として大きく改善されたとアピール。特に機材面では、再建前の「機材は『古い』というイメージは現在を表していない」とし、サービスとともに新機材の利点を強調している。さらに、経営状況も7月から9月の第3四半期は、この10年で最高の数値となる税引き前利益が4億500万ドルを記録し、米系大手航空会社の中でも競争力のある体質となったことを強調している。