国際航空協定は独禁法適用の方向−公取の報告書素案「抜本的見直しを」
公正取引委員会(公取委)の「政府規制等と競争政策に関する研究会」(規制研)は、国際航空運賃協定の適用除外制度について、速やかに抜本的な見直しが必要とする方向で報告書(案)を取りまとめる。9月20日に開催された第6回研究会は、前回の論点整理を受けて事務局が作成した報告書の素案において、適用除外制度を維持する合理的な理由を説明することは困難であるとしている。
国際航空運送協会(IATA)、航空会社が適用除外の根拠のひとつとした、インターライニングを可能とするIATA運賃協定について、連絡運輸はIATA以外でも提供できるサービスで、適用除外が失効したEU域内、EU/アメリカ間、オーストラリアで運用されていること等から、適用除外とする必要性は乏しいとした。
キャリア運賃は、二国間航空協定を履行するために必要との主張がある。しかし、アメリカとはキャリア運賃協定が存在せず、指定航空企業間合意規定がある場合でも、「包括的合意」が存在するのみで、具体的な水準に対する合意が義務となっておらず、国際的なオープンスカイの傾向などから、存続させる意義が無いとする。
このほか、アライアンス周遊運賃協定、コードシェア協定、マイレージ協定などその他の協定についても、必ずしも適用除外が必要でないとする。ただし、国際約束があるものは締結国からの具体的案要請に基づいて実施されるものに限りと縛り、暫定的な措置をとれば足りるとする方針だ。そのため、独禁法の適用除外に関する航空法第百十条の条文のうち、国際航空の範囲を示した第二項の削除を求めようとする言及もあった。
今後は、今回の議論を元に報告書(案)を作成し、パブリックコメントを実施。意見を取りまとめ後、委員会で討議し、報告書を完成させる予定だ。
▽日系2社が意見書提出「連絡運輸の実現性ある代替案検討すべき」
委員会開催の前に、日本航空(JL)と全日空(NH)は、第5回の委員会で行われた論点整理に対する意見書を事務局に提出していた。今回の素案には含まれていないが、19日に会員にメールで報告したほか、議論の前にはその概要が発表された。
JLはIATA運賃協定について、IATAの連絡運輸を「マルチのインターライニング」と呼称した上で、見直しにあたり、連絡運輸の公益性を実現させる代替案を検討すべき、としたほか、キャリア運賃については、相手国サイドに多大な影響を与えるものは慎重に進めるべき、と訴えた。
NHはインターライニングのためにIATA運賃調整会議が必要である訳ではないが、国際的に機能する代替案を考慮する必要があると訴えた。キャリア運賃に対しては指定航空企業間の合意が消費者の選択肢を制限し、航空会社の機会を損失しているので早急な見直しをと訴えた。アライアンス内提携については、旅客の利便向上に繋がるとして、適用除外を残す必要を主張した。
国際航空運送協会(IATA)、航空会社が適用除外の根拠のひとつとした、インターライニングを可能とするIATA運賃協定について、連絡運輸はIATA以外でも提供できるサービスで、適用除外が失効したEU域内、EU/アメリカ間、オーストラリアで運用されていること等から、適用除外とする必要性は乏しいとした。
キャリア運賃は、二国間航空協定を履行するために必要との主張がある。しかし、アメリカとはキャリア運賃協定が存在せず、指定航空企業間合意規定がある場合でも、「包括的合意」が存在するのみで、具体的な水準に対する合意が義務となっておらず、国際的なオープンスカイの傾向などから、存続させる意義が無いとする。
このほか、アライアンス周遊運賃協定、コードシェア協定、マイレージ協定などその他の協定についても、必ずしも適用除外が必要でないとする。ただし、国際約束があるものは締結国からの具体的案要請に基づいて実施されるものに限りと縛り、暫定的な措置をとれば足りるとする方針だ。そのため、独禁法の適用除外に関する航空法第百十条の条文のうち、国際航空の範囲を示した第二項の削除を求めようとする言及もあった。
今後は、今回の議論を元に報告書(案)を作成し、パブリックコメントを実施。意見を取りまとめ後、委員会で討議し、報告書を完成させる予定だ。
▽日系2社が意見書提出「連絡運輸の実現性ある代替案検討すべき」
委員会開催の前に、日本航空(JL)と全日空(NH)は、第5回の委員会で行われた論点整理に対する意見書を事務局に提出していた。今回の素案には含まれていないが、19日に会員にメールで報告したほか、議論の前にはその概要が発表された。
JLはIATA運賃協定について、IATAの連絡運輸を「マルチのインターライニング」と呼称した上で、見直しにあたり、連絡運輸の公益性を実現させる代替案を検討すべき、としたほか、キャリア運賃については、相手国サイドに多大な影響を与えるものは慎重に進めるべき、と訴えた。
NHはインターライニングのためにIATA運賃調整会議が必要である訳ではないが、国際的に機能する代替案を考慮する必要があると訴えた。キャリア運賃に対しては指定航空企業間の合意が消費者の選択肢を制限し、航空会社の機会を損失しているので早急な見直しをと訴えた。アライアンス内提携については、旅客の利便向上に繋がるとして、適用除外を残す必要を主張した。