日本航空、プレミアム戦略の一環で国内線にファーストクラスを展開−イメージ向上狙う

  • 2007年8月29日
 日本航空(JL)は12月から、現在推進中のプレミアム戦略の一環として、国内線でファーストクラスを展開する。「お客さまのプライベートな空間・時間を尊重する最上級のおもてなし」をコンセプトに、アンケート結果に基づいてサービスを選定。ゆとりある空間、高品質のアメニティや食器、食事や茶菓、飲料まで豊富なバリエーションから利用者の好みにあった「最上級のサービス」を提供していく。また、ラウンジの使用にも高い要望が集まっており、羽田空港ではダイヤモンド・プレミアラウンジ、その他の空港ではサクララウンジの使用を可能にした。料金は8000円の加算としたのも特徴で、大人普通運賃のほか、往復割引や4回回数券、特便割引、株主優待割引などでも、販売座席数の限定などはあるものの8000円を追加することで利用できる。また、搭乗日当日に空席がある場合は、全ての運賃で利用が可能だ。予約は10月1日から受け付ける。

 設定路線は、羽田/伊丹線の1日7往復程度で開始し、2008年度以降に、羽田/福岡線、羽田/札幌線に拡大、いずれは全路線で導入したい考え。機材はボーイングB777-200型機で、ファーストクラスの座席数は14席。従来の機材からは、クラスJが6席、エコノミーが30席減少する。シートピッチは約130センチメートルで、シート幅は53センチメートル、リクライニングは最大42度とした。パソコン用の電源は備えていない。機内食はどの時間帯の利用でも食事や軽食、茶菓、飲料までバリエーション豊富に取りそろえた。夕食メニューで「分とく山」や「なだ万」、「アロマフレスカ」、甘味類で「サンフルーツ」や「鈴懸」など、有名店との提携メニューを用意するほか、飲料でも「幻の焼酎」とも呼ばれ人気が高い「森井蔵」を提供する。

 JL代表取締役社長の西松遙氏は、高額ながら高品質な旅行商品を例に挙げつつ「国内便は安全性に加えて定時性が重要だが、今後はプラスアルファの部分が必要になってくる」とし、コストダウンだけではなく、消費者のニーズに合った商品を販売するという意図を語った。また、「昨今低下したイメージを向上させることが大きな狙い」であるとも言及、中長期経営計画で掲げたプレミアム戦略に則り、国際線にプレミアムエコノミークラスを導入するなど、継続して施策していく考えを改めて示した。